
ドナルド・トランプ大統領が27日、CDCのスーザン・モナレズ所長を就任からわずか1か月で電撃解任し、物議を醸している。「ワクチン懐疑論者」のロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が、モナレズ所長に対しワクチン反対の立場を受け入れるよう要求。これに対しモナレズ所長は「違法であり、科学に反する指示には従えない」と反論し、結果的に解任されたとされる。ホワイトハウスは「モナレズ所長が大統領の『アメリカを再び健康に(Make America Healthy Again)』政策に合致しない」として解任を認めた。
アメリカメディアによると、モナレズ所長の解任はCDC内で集団辞職を引き起こした。複数の主要保健担当者が同時に辞職し、職員らはアトランタ本部前で彼らを支持する集会を開いた。政界にも大きな衝撃を与えた。無所属のバーニー・サンダース上院議員は「理不尽な解任だ」と批判し、公聴会の開催を要求。民主党のパティ・マレー上院議員は「モナレズ所長は、ケネディ・ジュニア長官の公衆衛生を破壊しようとする個人的な議題に立ち向かった」と述べた。一方、共和党所属の上院保健委員会のビル・キャシディ委員長は「CDC幹部の集団退職は、議会レベルでの監督が必要だ」と指摘した。モナレズ所長側の弁護団は「これは単なる人事ではなく、公衆衛生制度の組織的解体と科学の政治化だ」として法的対応を予告した。
CDC騒動に先立ち、トランプ大統領は25日、連邦準備制度理事会(Fed)のリサ・クック理事の突然の解任を通告し、さらなる論争に火をつけた。大統領がFed理事を解任するのは112年のFed歴史上初めてのことである。トランプ大統領は、クック理事が不動産ローン詐欺に関与したため信頼できないと主張したが、クック理事は「住宅ローンとして申告した不動産を賃貸に出したことが問題視されたに過ぎず、違法行為や起訴事実はない」と反論している。
クック理事は28日、即座に不服申し立ての訴訟を起こした。弁護団は「Fed理事の解任は、正当な理由がある場合のみに可能であり、政策上の意見の相違は理由にならない」とし、「トランプ大統領は捏造された容疑で反対派を排除しようとしている」と批判。また、解任過程で事前通知や弁明の機会すら与えられなかったと指摘した。この訴訟はFedの政治的独立性に直結する問題であり、解任の適法性は最終的に保守6対リベラル3の構図を持つ連邦裁判所で判断される見通しだ。
トランプ氏はTV番組『アプレンティス』での決め台詞「You’re fired!(君はクビだ)」でよく知られている。最近の相次ぐ政府高官の解任劇は、この台詞を現実政治に投影したかのような様相だと評されている。CDC所長および主要科学者たち、そして前例のないFed理事の解任通告と続く中、専門家らは「公衆衛生と金融システムの独立性すら脅かされている」と懸念を示している。ある元公衆衛生指導者はアメリカメディアに「国の安全と健康が深刻に揺らいでいる」と語り、Fed法律専門家らは「大統領の恣意的な人事権行使が制度的バランスを崩す可能性がある」と警告している。
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