
オーストラリア政府は、犯罪歴などでビザ発給が拒否され、母国送還が困難な難民の受け入れを条件に、太平洋の島国ナウルに25億豪ドル(約2,429億310万円)の支援を行うことを決定した。
現地時間4日、AFP通信やオーストラリア国営放送ABCなどによると、前日にオーストラリア当局がナウルとこの内容で和解し、最初の難民受け入れ施設も既に整備されたという。
これに伴い、先月29日、オーストラリアとナウルは、犯罪歴などによりオーストラリアでのビザ取得が拒否された難民をナウルに再定住させるための非公開協定を締結した。
オーストラリアは、最大350人余りの難民をナウルに送る見返りとして、初期費用として4億800万豪ドル(約395億1,440万円)を支払い、さらに今後30年間、毎年7,000万豪ドル(約67億7,940万円)の追加支援を行う予定だ。
ただし、ナウルが予想ほど多くの難民を受け入れなかった場合、オーストラリアは支援資金を回収できると内務省担当者は述べた。
ナウルへ送られる対象は、オーストラリアに難民として到着したものの、犯罪等によりビザが取り消されるか取得できず、さらに迫害のリスクがあるため母国へ送還や第三国へ移送できない人々だ。
従来、オーストラリア移民局は、これらの難民が受け入れ先を見つけるまで無期限に収容していた。
しかし、2023年、オーストラリア最高裁判所は、「NZYQ」という仮名のミャンマー出身ロヒンギャ族男性難民が収容措置の違法性を訴えた訴訟で原告の主張を認め、その後、彼を含む約350人が釈放された。
NZYQはロヒンギャ難民として認定されオーストラリアに入国したが、児童性的犯罪を犯したためにビザが取り消され、帰国先も見つからず、移民局で期限なく収容されていた。
一方、ナウルは人口約1万2千人の極小国家であり、オーストラリアドルを法定通貨として採用するなど、大きくオーストラリアに依存している。
特に2000年代初頭、中東・南アジアから船で不法入国しオーストラリアに亡命を求める難民が急増した際、これら難民を自国に入れないためにナウルに難民収容施設が整備され、その費用がナウルに支援され続けてきた。
コメント0