
中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の戦勝記念日を機に行われた会談後、中国にロシアの液化天然ガス(LNG)を積んだ船が相次いで到着している。中ロのエネルギー協力拡大により、米国など西側の対ロシアエネルギー制裁の効果が薄れる可能性が高まっている。
6日(現地時間)、ロイター通信やブルームバーグなどの報道によれば、ロシアのLNGタンカー「ヴォスホード」が最近、中国南西部の広西チワン族自治区北海市の港に到着したという。このLNG船には、米国の制裁対象である「ロシア北極圏のLNGプロジェクト」で生産されたLNG15万㎥が積載されている。ロイター通信は、このLNGが7月19日にシベリア北部のギダン半島で積み込まれたと伝えている。
ロシア産LNGの到着は先月28日、北海市の港にロシアから出発したLNGタンカー「ムーラン」の到着以来、2回目となる。2023年12月から生産を開始したロシア北極圏のLNG2プロジェクトのガスが最終購入者に届いたのは今回が初めてだ。ロシア・ウクライナ戦争の責任を問う米国、EU、英国の制裁を受け、長期間購入先を見つけるのが困難だったためである。ロイター通信によれば、最近北極圏のLNG2プロジェクトは6隻目のLNG船でエネルギーを輸出したが、すべて中国向けとみられているという。
タイミングも意味深長だ。プーチン大統領は、先月31日に中国・天津で開催された上海協力機構(SCO)首脳会議を皮切りに、2日の中ロ首脳会談、3日の「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典」の軍事パレードなど、中国での行程のために3泊4日滞在した。会談において中ロ両国はエネルギー分野での協力拡大に合意した。
特に、両国はモンゴルを経由してロシアの天然ガスを中国に送るガスパイプライン建設プロジェクト「シベリアの力2」に関する協定を締結した。このプロジェクトが完成すれば、中国に年間500億㎥の天然ガスが30年間供給され、ロシアは制裁で失った対欧州輸出の半分を補えるとの見方もある。
中国の介入により、戦争資金として用いられるロシアの資金源を断つための米国など西側諸国の対ロシア制裁は試練に直面することになりそうだ。エネルギー業界と国際社会は、この取引が一度限りか、それともロシアのLNG輸送拡大の前兆なのかに注目している。ロシア産原油の輸入を理由に米国から50%の関税を課されたインドも、輸入を継続する姿勢を示している。
ブルームバーグは5日、「最近の中国・ロシア・インドの接近は、北朝鮮・中国・ロシアの関係強化に劣らぬ驚くべき展開だ」とし、現状でこれらの国々を結びつける要因は「エネルギー」であると評価している。
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