米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げ観測が高まる中、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者であるレイ・ダリオ氏がドルと株式市場に対する衝撃を警告した。

Finboldなどによると、ダリオ氏は最近のRedditでの質疑応答において、実際に利下げが行われた場合、米ドルと株式資産が大幅な下落圧力にさらされる可能性があると指摘した。
ダリオ氏は、短期金利とドルの価値が弱含む一方で、金市場は相対的に強含む可能性があると分析。また、長期金利の上昇により、イールドカーブが急傾斜化する可能性にも触れた。
通常であれば利下げは株式市場にとって追い風となるが、今回は投資家の負債商品の回避姿勢を強めていることに加え、むしろ株価が低迷する可能性があると彼は見ている。
市場は利下げ観測に傾いている。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%ポイントの利下げが予想されており、バンク・オブ・アメリカなどの投資銀行は今年少なくとも2回の利下げと、2026年までの追加緩和を予測している。労働市場の鈍化とインフレ率の低下がこの見方を裏付け、米国債利回りの低下もこうした期待を反映している。ただし、一部のエコノミストは過度な利下げが再びインフレ懸念を引き起こす可能性があると警告している。
ダリオ氏が繰り返し提起してきた懸念は、国の負債構造にある。今回の発言においても、米国経済の基礎体力が深刻に損なわれていると指摘した。米国の国債は37兆ドル(約5,482兆8,371億1,480万円)を突破し、GDPの124%に達している。これは第二次世界大戦以降で最高の水準だ。
同氏は負債を動脈硬化のプラークに例え、管理されずに拡大する借入が最終的に「経済的心臓発作」を引き起こすと警告している。
ダリオ氏は経済を暗礁に向かう船に例えた。無秩序な財政赤字と急増する利払い費が適切に抑制されなければ、今後3年以内に危機的局面に陥る可能性があると予測している。ダリオ氏の診断は、単に短期的な政策変更への不満ではなく、長期的な財政健全性に対する警鐘と捉えることができる。
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