
アメリカが圧倒的な潜水艦戦力で優位を誇っていた中、中国は急速に成長し、世界覇権を巡る両国の競争は海中にまで広がっている。
「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」によると、中国は技術力と生産力の両面で潜水艦戦力を急速に強化し、世界有数の潜水艦大国へと躍進している。
中国の新型原子力潜水艦は、航行速度と潜航能力の向上により長時間の作戦行動が可能となり、静粛性の改善により探知が困難になったと評価されている。
現在、開発中の次世代095型原子力潜水艦には、垂直発射管が搭載され、巡航ミサイルの発射が可能になると見込まれている。
また、既存の通常型ディーゼル潜水艦には、潜航時間延長のための非大気依存推進(AIP)技術が適用されていると伝えられている。
AIP潜水艦は、酸素供給のために1日に2回以上浮上するディーゼル搭載艦とは異なり、2~3週間の水中潜航が可能だ。
中国は、3日に北京で開催された抗日戦争勝利記念日80周年の軍事パレードで、潜水艦のように機能するドローンや自律型魚雷となり得るドローンを含む新型水中ドローンを公開し、水中戦力の多角化を進めている。
さらに、中国は世界最大の造船産業を背景に、潜水艦を大量に建造することで、量的側面でもアメリカに追いついている。
現時点で、中国は潜水艦を合計58隻保有し、71隻保有するアメリカに迫っている。
アメリカ海軍出身の潜水艦専門家クリストファー・カールソン氏は、中国が特に原子力潜水艦の開発で大きな進展を遂げたとし、「095型は非常に静かな潜水艦になる」と述べ、「状況は非常に複雑になるだろう」と語った。
一方、アメリカは潜水艦の技術面では依然として中国に先んじているものの、建造能力と整備体制の不足が大きな障害だとWSJは指摘している。
議会予算局によれば、アメリカは年間1.2隻の攻撃型潜水艦を建造している。
しかし、これは艦艇増強計画や米英豪3ヶ国による安全保障の枠組み(AUKUS)協定の実施に必要な2.33隻には大きく及ばない。
加えて、整備の遅延により作戦投入が不可能な潜水艦も多く、実際の運用戦力は67%にとどまっている。
2027年から運用寿命を迎え退役するオハイオ級原子力潜水艦の後継として建造中の次世代原子力潜水艦、コロンビア級は、導入時期が2年以上遅れ、2029年にずれ込んでいる。
また、アメリカは現在、SSN(X)と呼ばれる最先端攻撃型潜水艦の新型艦級を計画しているが、建造開始は2040年代初頭になる見通しだ。
現時点で、中国は遼寧省から海南省までの潜水艦基地を拠点に、南シナ海での活動範囲を拡大していると伝えられている。
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