イスラエル、ガザを集中空爆…ルビオ米国務長官がエルサレム到着
ヨルダン川西岸の入植拡大、米国仲介のアブラハム協定に違反の懸念

米国のマルコ・ルビオ国務長官がイスラエルを訪問する中、イスラエル軍はガザ市で少なくとも30棟の住宅を破壊し、数千人の住民が避難を余儀なくされたと、ロイター通信が14日(現地時間)報じた。
イスラエルはパレスチナ武装組織ハマスの排除を目的に、約100万人の避難民が身を寄せるガザ市を制圧する計画を明らかにしており、ガザ市を「ハマス最後の拠点」と位置付け空爆を強化している。
先週、イスラエルはカタールの首都ドーハでハマスの政治指導部を狙った空爆を実施し、国際社会から強い非難を浴びた。これを受け、カタールは15日にアラブ・イスラム諸国の緊急首脳会議を開き、対応を協議する予定だという。
ルビオ長官は「イスラエル指導部と今後の計画を協議する」と述べ、ハマスがガザで依然拘束している人質48人のうち、生存が確認された20人を含む解放問題や、ガザ復興について協議する方針を示した。
エルサレム到着後、ルビオ長官はユダヤ教の聖地「嘆きの壁」を訪問した。米国務省は「エルサレムをイスラエルの永遠の首都と認める米国の立場を再確認する行動だ」と説明した。2017年には当時のドナルド・トランプ米大統領が、エルサレムを公式にイスラエルの首都と認め、米大使館をテルアビブからエルサレムに移転している。
一方、米政府関係者はカタールでの空爆について「米国とイスラエル双方の利益に反する一方的行動」と懸念を表明した。ルビオ長官とトランプ大統領は先週、カタールのムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アール・サーニー首相と会談していた。
ネタニヤフ首相はまた、ヨルダン川西岸地区で入植地を拡大する協定に署名した。アラブ首長国連邦(UAE)は「米国が仲介したアブラハム合意を脅かしかねない」と警告している。
国際支援団体は、イスラエルによるガザ市制圧が深刻な栄養失調に直面する住民に「壊滅的な打撃」を与えると警告した。ガザ保健省によると、過去24時間で2人が栄養失調で死亡し、犠牲者は累計422人(うち子ども145人)に達したという。
イスラエルは年初に11週間にわたり食料搬入を全面的に停止し、7月末から一部の救援物資搬入を認めているが、国連は依然として「絶対的に不足している」と指摘する。
イスラエルは市民にガザ市からの退避を呼びかけ、多数が脱出したが、依然数十万人が残留。ハマスは住民に留まるよう呼びかけている。
イスラエル軍は東部4地区で数週間にわたり作戦を展開し、少なくとも3地区を廃墟と化した。現在は多くの避難民が身を寄せる中心部と西部に進軍している。
住民の多くは「南部へ移動する場所も安全もない」と訴えているとロイターは伝えた。パレスチナ住民の多くは、カタールでのアラブ首脳会議がイスラエルの攻勢を止めることを期待しているという。
イスラエルは先週、ガザ市に対し5回の空爆を実施し、ハマスの監視拠点や狙撃拠点、トンネルの出入口や武器庫など計500カ所以上を攻撃したと発表した。
現地当局は民間人と武装勢力を区別せず少なくとも40人が死亡し、そのうち28人がガザ市で犠牲になったと明らかにした。ハマスは、8月11日以降イスラエル軍が住宅1,600棟とテント1万3,000個を破壊したと主張している。
現地当局によれば、イスラエルの対ハマス軍事作戦はほぼ2年に及び、これまでにガザで6万4,000人以上が死亡したという。作戦の発端は、2023年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃し、1,200人が死亡、251人が人質にされた事件だった。
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