
ロシアのドローンが北大西洋条約機構(NATO)加盟国の領空を次々と侵犯する中、NATOの東部戦線強化作戦の一環として、英国空軍のタイフーン戦闘機がポーランド上空で哨戒任務を遂行したことが明らかになった。
20日(現地時間)、BBCなど海外メディアは、英国防省の声明を引用し、「タイフーン戦闘機2機が19日夜、リンカンシャー空軍基地を離陸し、空中給油機の支援を受けてポーランド領空の哨戒任務を遂行した」と伝えた。国防省は「任務を終えた戦闘機は20日未明に英国に帰還した」と説明した。
今回の飛行は、ロシアのドローンによるポーランド領空侵犯事件を受け、NATOが発動した「イースタン・セントリー(Eastern Sentry・東部戦線監視警戒)」作戦の一環として実施された。
NATOは、9日夜から10日未明にかけて、少なくとも19機のロシア製ドローンがポーランド領空を侵入した事態を受け、12日から「イースタン・セントリー」作戦を公式に開始すると発表しており、加盟国も順次戦力を配備している。
イギリスに加え、デンマークはF-16戦闘機2機と防空駆逐艦1隻を派遣、フランスはラファール戦闘機3機を投入、ドイツもユーロファイター戦闘機4機を支援している。
イギリス国防省は「NATOへのコミットメントは揺るぎない」と述べ、「今回の作戦は、ロシアによる無謀で危険なドローン領空侵入に対応するための措置である」と強調した。
一方、ポーランドも自国領空防衛の強化に乗り出した。ポーランド作戦司令部は同日、声明を発表し「ポーランド軍およびNATO連合軍の戦闘機が20日午前に緊急発進した」とし、「これはポーランド国境に近いウクライナ西部地域へのロシア軍の空襲と直接関連している」と説明した。さらに、ロシア軍によるエストニア領空侵犯も報告された。19日午前には、ロシアの軍用機がバルト海沿岸のエストニア領空に侵入したとされる。ロシア国防省は同日、自国のMiG-31戦闘機3機が北西部カレリア地域からカリーニングラードへ移動する飛行を実施したと発表した。しかし、NATO加盟国はこれを別の「意図的な試験行為」と解釈し、警戒レベルを引き上げている。
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