iPhone Airの革新的な内部設計、修理のしやすさ向上
モバイル修理サポート企業のiFixit(アイフィックスイット)は、Appleの超薄型スマートフォン「iPhone Air」の内部構造を公開した。
iFixitは21日、iPhone Airの分解動画を発表し、Appleによる革新的な内部設計を詳しく紹介した。
分析によると、Appleは厚さわずか5.6ミリという薄型ボディに全ての部品を効率的に収めるため、独自の「プラトー(plateau)」構造を採用している。
「平坦な高原」を意味するプラトーは、背面カメラの突起部分を横方向に長く拡張した形状を指す。この拡張スペースにロジックボードを配置することで、大型の金属製バッテリーを収めるための空間を確保するという革新的な設計が実現された。

耐久性と修理性のバランス
iFixitによると、ロジックボードの配置は、iPhone Airが曲がった際に発生し得る曲げ応力から保護するよう慎重に設計されているという。
すでに複数の耐久性テストで確認されている通り、iPhone Airのチタン製フレームは日常的な使用においては容易に曲がらないほどの強度を備えている。
興味深いことに、iFixitは内部部品をすべて取り外したiPhone Airのフレーム単体を曲げる実験も実施した。その結果、完全に組み立てられた状態よりも耐久性が低下することが判明した。これは、通信干渉を防ぐためにAppleが挿入したプラスチック製の間隔材が、構造的な弱点として作用したためだと説明している。
また、iFixitは以前、iPhone Air用MagSafeバッテリーを分解し、同じバッテリーが使用されている可能性を指摘していたが、今回の分解で容量12.26Whの同一部品であることが確認された。さらに、MagSafeバッテリーパックから取り出したバッテリーをiPhone Airに装着しても問題なく動作することが明らかになった。
修理のしやすさで高評価獲得
iFixitは、iPhone Airについて「超薄型デザインでありながら修理のしやすさが高い」と評価した。これは、薄い筐体のため部品を多層的に重ねる余地がなく、またフレーム自体が薄いため部品が深く埋め込まれていないことが理由だという。

特にバッテリーには低電圧電流で容易に分離できる接着剤が使用されている。この設計はAppleが昨年のiPhone 16とともに導入したもので、現在は他のモデルにも拡大適用されている技術だ。
また、iPhone AirのUSB-Cポートは、薄型シャーシに対応するために3Dプリントによるチタン合金製で、構造的にも強固であることが確認された。
これらの要素を総合的に判断し、iFixitはiPhone Airに修理のしやすさで10点満点中7点を付与した。
バッテリーへのアクセスが容易で、画面交換も比較的簡単に行える点が高く評価されたほか、公式の修理用部品やマニュアルが提供されていること、さらにソフトウェアによるロックや部品ペアリング制限が緩和されている点もプラス要因として挙げられた。
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