
実弾発射が可能な中国製おもちゃの拳銃が国内に流通していることが判明し、日本当局が警戒態勢に入った。警視庁は潜在的な危険性を懸念し、緊急回収に乗り出したが、現時点で約20%しか回収できておらず、苦慮している。
問題の中国製プラスチック製おもちゃの拳銃は「リアルギミック・ミニリボルバー」と呼ばれ、対象年齢12歳以上と表示され、長さ約12cmだ。プラスチック弾8発を装填できる弾倉と銃身が貫通しており、実弾発射が可能な構造になっている。
警視庁は、このおもちゃが実弾を発射できる構造を持つと判断し、所持した場合、銃砲刀剣類所持等取締法の違反に該当する可能性があると指摘した。銃器専門家は「本物の拳銃ほどの威力はないが、実弾を発射できるという事実だけでも十分に凶器になり得る」と述べた。
このおもちゃの拳銃は昨年12月から中国から輸入され、クレーンゲームの景品などとして日本全国に流通した。調査の結果、合計1万5,800丁が輸入され、全国47都道府県のうち31都道府県の78社に納入された。しかし、現在までに回収された数は約2,600丁で、全輸入量の20%にも満たない。ある警察関係者は「外見上は明らかにおもちゃに見えるため危険性の認識が低く、入手時に身分確認が不要なため所有者の特定が困難」と回収の難しさを説明した。
8月、山口県光市在住の34歳男性は「今年初めに息子とゲームセンターに行った際、景品として受け取ったが、実弾が発射できると知って驚いた」と述べ、7月の放送でこのおもちゃの拳銃が回収対象だと知り、警察に通報したという。
日本で本物の拳銃に類似した発射能力を持つおもちゃの銃が初めて確認されたのは2022年6月だ。これまでに「リアルギミック・ミニリボルバー」以外にも中国製おもちゃの拳銃16種類が確認され、今年7月末時点で約1,000丁が回収された。全てインターネットで販売され、外見はおもちゃの形状をしている。
政府は一般市民に対し、おもちゃに見えても所持すれば違法になる可能性があると警告し、回収を呼びかけている。また、流通業者には厳格な流通・輸入規制の強化を求めている。
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