トルコ大統領、7兆5,000億円の購入リストを携えトランプと会談へ
26日、トランプ大統領と二国間会談
航空・防衛・エネルギー契約を含む…関係正常化に向けて始動
レジェップ・タイイップ・エルドアン トルコ大統領は25日(現地時間)、6年ぶりにホワイトハウスを訪問し、500億ドル(約7兆4,890億円)規模の購入リストをドナルド・トランプ大統領に提示する見通しだ。航空、防衛、エネルギー分野での大規模契約締結を通じ、両国関係の正常化に向けた動きが加速するとみられている。

レジェップ・タイイップ・エルドアン トルコ大統領は24日(現地時間)、ニューヨークで開催された国連総会に出席した。 24日(現地時間)、ブルームバーグ通信は匿名のトルコ政府関係者の話を引用し、エルドアン大統領が今回のトランプ大統領との二国間会談で、ロッキード・マーティン戦闘機、ボーイング民間航空機、米国産液化天然ガス(LNG)など、500億ドルを超える購入計画について協議する予定だと報じた。
今回の契約で最大の焦点となるのは航空分野である。トルコは最大250機のボーイング民間航空機およびF-16戦闘機の追加購入を検討しており、長期間停滞していたF-35ステルス戦闘機問題についても再交渉に乗り出す計画だ。
トランプ大統領は最近、F-35ステルス機の供給中断問題の解決可能性を示唆した。トルコはF-35開発の初期パートナーであったが、ロシア製S-400防空システムの導入により、米国の対敵制裁法(CAATSA)の対象となった。S-400を放棄せず、配備方法で妥協点を見出せば、F-35 40機の購入再開を目指すという。
トルコは同日、メルクリアエネルギーおよびウッドサイドエネルギーとの長期契約も発表した。これにより、米国産LNGを含む総計760億立方メートル規模の天然ガスを購入する予定だ。
今回の取引により、両国の年間貿易規模を1,000億ドル(約14兆9,820億円)に拡大するという目標達成に向けた弾みがつく見込みだ。現状、トルコは米国製品に対して15%という低率の関税しか課していないため、関税障壁の負担は比較的軽い。
ブルームバーグによると、エルドアン大統領は今回の会談を、ロシアからの武器購入、外交的対立、報復関税などで揺らいだ米トルコ関係の立て直しの機会と捉えているという。
ロンドンのユーラシア・グループ欧州担当ディレクター、エムレ・ペケールは「エルドアン大統領はトランプ大統領の在任期間を利用して米トルコ関係を再構築し、特に防衛協力の強化に努めている」と述べ、「エルドアンが推進するエネルギー・防衛契約は互恵的な取引関係の要となり、トランプ大統領の『ディールメイキング』の本能にも合致するだろう」と語った。
また、米国との関係改善は、インフレ抑制と外貨準備高の拡充に時間がかかる中で、グローバル投資家の信頼回復の手段となる見通しだ。アンカラのシンクタンクTEPAVの戦略アナリスト、ニハト・アリ・オズジャンは「エルドアン大統領は再選を最優先課題としており、2028年またはそれ以前の選挙までに米国との間で問題が生じるのを避けたいと考えている」と分析している。
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