アフリカ・アジア・中南米の代表性強化を主張
ロシア「ドイツの戦争犯罪を忘れるな」と警告
ドイツが再び、国連安全保障理事会の改革の必要性を強く訴えた。現在5カ国の常任理事国と10カ国の非常任理事国をともに拡大すべきだと主張したが、従来言及してきた「ドイツも常任理事国になるべきだ」という主張は控えた。その一方で「ドイツは国際社会において武力に対抗し、正義と平和のために戦う」と明言し、ロシアのウクライナ侵攻を非難したとみられている。
これに対しロシアは「ドイツはヒトラーのナチス時代に逆戻りしている」と反論した。

27日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で開かれた第80回国連総会の一般討論で、ヨハン・ヴァーデフール独外相が演説した。ヴァーデフール外相は創設80周年を迎えた国連が「多くの試練に直面している」と指摘し、「設立目的にふさわしい形に改革すべきだ」と強調した。特に安保理改革を挙げ、「常任理事国と非常任理事国の双方を拡大し、世界の現実をより的確に反映すべきだ」と訴えた。
現在の国連安保理は、米国・英国・フランス・中国・ロシアの5カ国が拒否権を持つ常任理事国で、残る10カ国は総会で2年任期で選出される非常任理事国となっている。
ヴァーデフール外相は「新たに常任理事国を加えるなら、安保理で代表性の乏しいアフリカ、アジア、中南米に割り当てるべきだ」と提案した。南アフリカ、インド、日本、ブラジルの名が念頭に置かれているとみられる。従来ドイツも常任理事国入りを希望してきたが、この日は言及せず、欧州は外した。英国とフランスがすでに常任理事国の座を占める中、現実的にドイツの追加は難しいとの判断だと解釈される。

一方でヴァーデフール外相は、ドイツが2027年から2028年の安保理非常任理事国候補として立候補する事実を強調し、「選出されればドイツは正義と平和を擁護する」と述べた。ドイツが常任理事国入りが困難な状況を踏まえ、非常任理事国としてでも安保理に参加し、国際社会に関与し続ける方針を鮮明にした形だと注目される。
発言の中でヴァーデフール外相は、国連加盟国による国際法遵守を強調し、武力による現状変更を厳しく非難した。これがロシアのウクライナ侵略を念頭に置いたものとの見方が広がった。
これを受け、セルゲイ・ラブロフ露外相は国連総会での演説後、別途行った記者会見で、最近のドイツ政府による軍事力増強の試みについて言及した。
今年5月、保守性向のフリードリヒ・メルツ独首相が就任して以来、ドイツは「欧州で最も強力な通常戦力の軍隊を育成する」という目標を掲げ、国防費を大幅に増額した。さらに兵力拡充のため、徴兵制の再導入を検討も示唆している。

ラブロフ外相はドイツの国防費増額など軍備増強を批判し、「軍国主義化(militarization)と再ナチ化(re-Nazification)が進んでいる」と述べ、「ヒトラー時代に欧州全体をドイツの支配下に置こうとしたのと同じだ」と批判した。さらに、ファシズムやナチズム、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)など、ドイツ人が思い出したくない第2次世界大戦期の「暗黒の歴史」にまで言及した。
コメント1
独裁的強権政治の国ロシア、中国、北朝鮮の発言はすべて嘘と思ったほうがよい。自分のしていることを強弁し弱い国を侵略して開き直るまさにならず者国家である。なんだかトランプの国もそれらにすり寄って怪しくなった。