
近い将来、米軍はAIによって作動する完全自律型の戦闘機を開発に成功すると予測される。戦闘機には「エディ」と名付けられたこの戦闘機は、人間のパイロットが操縦する戦闘機と編隊を組んで飛行する。エディは優れた操縦技術を発揮するものの、任務の途中で深刻な問題を示すことになる。
目標の付近に民間人が確認されたにもかかわらず、ためらうことなく爆撃を敢行した。民間人の被害よりも作戦目標の達成を優先する行動を取ったからである。やがてエディは人間の制御を離れ、周囲に無差別な攻撃を加え始める。これは2005年に公開されたSF映画『ステルス』の物語である。
この映画が登場した20年前には、自己飛行し攻撃や防御を行う戦闘機は夢のような存在にすぎなかった。しかし現在は状況が異なり、各国の防衛産業と関連技術の発展により、最新の無人戦闘機が有人戦闘機と連携して作戦を遂行する時代が、現実に迫ってきている。
そうした中で、開発から半世紀以上が経過した旧式の退役戦闘機を無人機に改造しようとする動きが中国で具体化しつつある。倉庫に眠っていた古い戦闘機を引き出し、無人機として復活させようという試みだ。そして、その試みを台湾と軍事的緊張関係にある中国が進めている点に、より大きな注目が集まっている。

無人機改造「J-6戦闘機」公開
香港のサウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)や米国の軍事専門メディア「インタレスティング・エンジニアリング」によれば、先週吉林省長春で開かれた航空ショーで、中国人民解放軍が保有するJ-6戦闘機を無人機に改造したモデルが一般公開されたという。
J-6は旧ソ連の「MiG-19」を基に中国が独自生産した機体で、1960年代に実戦配備が始まり、1980年代までに約4,000機が製造された。全長は14.9メートル、翼幅は9.2メートル。2011年に正式退役し、現在は第4.5世代機の「J-16」や第5世代機の「J-20」などが主力となっている。しかし、中国は依然として約3,000機のJ-6を保有しているとされる。
今回の改造モデルでは、パイロット用の射出座席など有人機特有の装備を撤去し、自律飛行装置や地形照合航法システムが搭載されている。訓練用に退役機を無人化する事例は米国でも見られ、空軍は「F-4」や「F-16」を無人標的機に転用してきたが、中国はこれを実戦運用に活用する可能性がある。
電子防空システム突破の可能性
軍事専門家は、J-6の無人機化は台湾との軍事的駆け引きにおける「新たな切り札」になり得ると指摘している。
J-6は旧式ながら最高速度マッハ1.3、作戦行動半径約700キロ、最大兵装搭載量250キロを誇り、大量の武装を搭載して台湾海峡を迅速に越えることが可能とされる。
現代の防空システムは高度な電子妨害対策を想定して設計されているが、1960年代設計のJ-6はこうしたシステムに対して「逆に検知されにくい」特性を持つ可能性がある。そのため、台湾防空網を突破して接近するリスクが高まるとの見方もある。
台湾側が対応するには、本来は有人機を迎撃するための高価な防空ミサイルを使用せざるを得ない。台湾の主力であるパトリオット地対空ミサイルは1発あたり数億円と高額であるため、備蓄数にも限界がある。もし数百機、数千機単位のJ-6が一斉投入されれば、防空ミサイルの在庫は短期間で尽きる可能性がある。
SCMPは「台湾の防空ミサイルが消耗した後、中国軍が主力戦闘機を続けて出撃させる戦術が想定される」と報じている。米国の外交・軍事対応にも影響を与え得る要素であり、今後、改造J-6が中国軍においてどのような役割を担うか注視されている。
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