
ロシアが、米国のトマホーク・ミサイルによるウクライナ支援の言及に対し、「問題は誰がこのミサイルを発射できるかだ」と不快感を示した。英紙ザ・タイムズやロシアのタス通信などによると、ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は29日(現地時間)、「(米国側の)発言は既に確認しており、我々の軍事専門家が注意深く監視している」と述べたという。
ペスコフ報道官は「(トマホークミサイルを)ウクライナ軍のみが発射するのか、それとも米軍も発射するのか、ミサイルの標的を米国側が決定するのか、ウクライナ側が決定するのか」と指摘し、「非常に詳細な分析が必要だ」と述べた。ただし、彼は「米国がウクライナにトマホークを支援したとしても、現在のキーウ政権が戦況を一変させる決定打を持っているわけではない。魔法の武器など存在しない」と強調した。
ロシア国家院国防委員会のアンドレイ・カルタポロフ委員長はさらに踏み込み、「ウクライナのトマホーク発射を支援する米軍は、ロシア軍の標的になる可能性がある」と述べた。彼は米国のドナルド・トランプ大統領とウクライナ・ロシア担当特使にキース・ケロッグ氏に触れ、「誰も彼らを守らないだろう」と付け加えた。
これに先立ち、JD・ヴァンス米副大統領は28日、フォックス・ニュースのインタビューでウクライナのトマホーク支援要請について「大統領が現在検討中で、米国の最大の利益に合致する措置を講じるだろう」と示唆した。トマホークは最大射程2,500kmに達する長距離巡航誘導ミサイルであり、ウクライナ国内からモスクワおよびサンクトペテルブルクが攻撃可能である。
前任のジョー・バイデン米政権も戦争拡大を懸念し、ウクライナによるロシア本土攻撃を最大限に抑制してきたが、近年ロシアへの圧力を強化したトランプ政権がトマホーク支援の可能性に言及し始めた。ただし、トマホークはミサイル駆逐艦や戦略爆撃機から発射可能である一方、ウクライナ軍にはそのような武器システムが存在しないため、米軍の関与が不可避になる。
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