小泉氏、自民党総裁選で首位危うし…コメント操作発覚、3位が猛追
小泉氏、読売調査でトップに
決選投票予想の中、林氏が急浮上
コメント工作に与野党から批判
高市氏「対米投資、再交渉の可能性も」

10月4日の自民党総裁選をめぐり、小泉進次郎農林水産相が首位を維持できるか注目が集まっている。当初は高市早苗前経済安全保障担当相との接戦が予想されたが、林芳正官房長官がダークホースとして浮上した。さらに、陣営関係者によるコメント操作が発覚し、小泉氏には逆風が吹いている。
読売新聞やフジテレビの報道によれば、今回の自民党総裁選は小泉農相と高市前経済安全保障相、林官房長官の3人による争いとなっており、このうち上位2人が決選投票に進む可能性が高いという。衆議院で第1党(現在は自民党)の代表が首相に就くのが慣例であるため、次期総裁は事実上の次期首相となる見通しだ。
自民党総裁選は、衆参両院の自民党国会議員295人が1票ずつ投じるほか、全国の党員・党友による投票が国会議員票と同数に換算される。計590票の過半数(296票)を得れば即当選となるが、過半数に届かなければ上位2人で決選投票が行われる。
当初は小泉氏と高市氏の一騎打ちが想定されていた。しかし、外相など閣僚経験が豊富で安定感を売りとする林氏が急浮上し、「2強1中」から「三つ巴」の様相へと変化した。読売新聞は29日、議員票と党員票を合わせた推計で、小泉氏191票、高市氏113票、林氏100票と伝えており、決選投票に持ち込まれる可能性が高いと伝えた。
現時点の調査では小泉氏が首位を維持しているものの、林氏の追い上げに加え、選挙終盤での大きな不祥事も重なり、予断を許さない状況だ。選挙キャンプの広報を担当していた牧島かれん衆院議員の事務所が、同じ陣営の国会議員事務所に対し「小泉氏を称賛するコメントを投稿してほしい」とメールを送っていたことが明らかになった。ネット世論を操作しようとした疑惑に批判が殺到し、小泉氏は27日、「私は知らなかったが、申し訳なく思う」と謝罪した。しかし高市氏を支持する山田宏参院議員はSNS「X」に「党の再生をかけた選挙を損なう重大事案だ」と投稿し、第1野党である立憲民主党の野田佳彦代表も「野党に対しても同様のことをしていたのではないか」と指摘した。
高市氏は保守層を意識した発言を連発している。28日に公開されたYouTube番組では、右派系の「参政党」との連携の可能性について問われ、「協力できる政策について連携するのは立法府の責任だ」と発言し、極右政党との政策連携にも含みを持たせた。また同日、フジテレビの候補者討論会では、総額5,500億ドル(約81兆6,201億3,700万円)規模の対米投資合意について「運用過程で国益を損なう不平等な部分があれば再交渉すべきだ」と述べ、5人の候補者の中で唯一「再交渉の可能性」に言及した。
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