
在韓米軍が「キラードローン」と呼ばれる「MQ-9・リーパー」多目的ドローン(無人機)を群山空軍基地に常時配備したと公式に確認した。29日、在韓米第7空軍は報道資料を通じ、MQ-9で編成される第431遠征偵察大隊が群山空軍基地に新設され、ダグラス・J・スレイター中佐(大隊長)が部隊指揮を執ると発表した。MQ-9ドローンは訓練目的で一時的に韓国を訪れたことはあるが、常時配備され、またこのドローンを用いた部隊が新設されるのは今回が初めてである。
「空の暗殺者」、「キラードローン」などの異名を有するMQ-9ドローンは、攻撃能力に加えて情報収集能力も高く、主としてシリアやイラクなどの紛争地域における対テロ作戦で活用されている。機体操縦士とセンサー・武器操作技術者が2人1組で遠隔操縦を行い、2018年にはISの指導者であるアブー・バクル・アル=バグダーディー、2020年1月にはイスラム革命防衛隊のガーセム・ソレイマーニー司令官の暗殺に使用された。
2022年の米議会調査局の資料によると、MQ-9ドローンの価格は約3,000万ドル(約44億4,794円)程度であるという。ただし、武装、オプション、地上装備数、販売相手国などにより価格差は大きく、一部の国ではこれよりはるかに高額で取引されている。
第7空軍はMQ-9について「多目的で任務遂行が可能な中高度長距離滞空無人機であり、緊急標的処理、情報収集、監視、偵察任務を遂行するよう設計された」と説明し、「防衛任務を超えて人道支援、災害対応及びその他地域問題の解決に向けた取り組みを支援できる」と述べた。
さらに、「第431遠征偵察大隊の新設は、朝鮮半島の平和と安全保障に対する米国の強い意志を再確認するものである」とし、「MQ-9の運用はインド太平洋全域における情報収集、監視、偵察分野での韓米共同の重要任務を支援し、脅威や新たな状況に対応可能な連合能力を強化、同盟をさらに堅固にする」と述べた。

群山基地に配備されたMQ-9は、北朝鮮の監視はもちろん、西海への進出を着実に強化する中国の監視任務にも投入される可能性がある。
第431遠征偵察大隊の初代大隊長であるスレイター中佐は「MQ-9の配備は地域に強力な能力をもたらす」と述べ、「我々は任務支援、協力深化、並びにインド太平洋全域の安全と安定の維持という共同の意志を示すためにここにいる」と強調した。
なお、MQ-9ドローンは米国のみならず、英国、フランス、イタリア、スペイン、インド、日本、オランダ、台湾などにおいても保有・運用されている。
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