LAを襲った最悪の山火事、自然発火ではなく放火と判明
発生から9か月、29歳の男を逮捕
ChatGPTに犯行を示唆する書き込みも

今年1月、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス(LA)一帯を焼き尽くした「パリセーズ山火事」が放火によるものだったことが明らかになった。発生から9か月を経て、当局は29歳の男を逮捕した。米国史上最悪の山火事として記録されたこの火災は、自然発火や電線のショートなど様々な説が浮上していたが、最終的に人為的な火災であったことが判明した。
米連邦検察は10月8日(現地時間)、フロリダ州メルボルンでジョナサン・リンダークネヒト容疑者(29)を放火および財産損壊の容疑で逮捕・起訴したと発表した。ウーバーのドライバーとして働いていたリンダークネヒト容疑者は、1月1日に乗客を降ろした後、ロサンゼルスの高級住宅街パシフィック・パリセーズを見下ろす公園の登山道付近で火を放ったとされている。
リンダークネヒト容疑者は火をつけた後、自らの車を停めて現場を撮影し、その映像を何度も再生していた。また、火を放った直後、消防機関に通報を試みたが電波状況が悪くつながらず、山を下って再び通報したものの、すでに近隣住民による通報が入っていたという。
放火当日、火はすぐには広がらなかったが、1週間後の7日に発生した強風にあおられて再び燃え広がり、大規模火災に発展した。この火災で31人が死亡し、およそ6,800棟の建物が焼失、焼失面積は約93平方キロメートルに及び、被害額は530億ドル(約7兆5千億円)に達した。俳優のメル・ギブソンやパリス・ヒルトンら、著名なハリウッド関係者の自宅も焼失した。
ビル・エシュリー連邦検事は「一人の軽率な行動が、ロサンゼルス史上最悪の火災を招いた」と述べた。
さらに、捜査当局はリンダークネヒト容疑者が放火直後、ChatGPTに「たばこが原因で火事が起きたら私の責任か」と入力した記録を押さえた。過去にも「持っていた聖書を燃やした。気分がすっきりした。解放されたようだった」と書き残しており、昨年7月にはChatGPTを使って「森が燃え、人々が逃げ惑う」様子を描いた画像を生成していたことも判明している。
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