
台湾は8日、イタリア・ローマで開催予定だった国慶節記念晩餐会が、中国側の圧力によりほぼ中止寸前となったと、聯合報など台湾メディアが9日に報じた。
ニューシスによると、ツァイ・ユンジョン(蔡允中)駐イタリア台湾代表は台湾の建国記念日である10月10日の双十節の2日前、すなわち10月8日に予定されていた記念レセプションが中止寸前であったことを明かした。
レセプションの前日に、会場として予定されていた有名ホテル「ホテル・パルコ・デイ・プリンチピ」から、突如として予約キャンセルの要請があった。その理由は、同日にローマを訪問した中国のワン・イー(王毅)外交部長が同じホテルに宿泊する予定であったためとされる。
台湾代表部は「幸いにも、代表部の尽力によりレセプションは予定通り開催できた」と述べた。
台湾代表部がこの行事のためにホテルを予約したのは今年初めのことであった。
ツァイ代表は、この突然の不当な要求に終日対応に追われたと語った。結局、ホテル側は中国側の要請を拒否し、ワン部長らは別のホテルへ移動することとなった。
同代表は「台湾は中国との争いを望んでいない」と述べた上で、「しかし、台湾と中国は共通の価値観を有しており、国際社会における競争は善意に基づき、公平性とルールを尊重すべきだと考えている」と語った。
9日にイタリアのジュリオ・テルツィ上院議員が主催する「欧州連合(EU)に対する中国の影響力」シンポジウムに講演者として招かれたツァイ代表は、この一件について言及した。
同代表は「台湾は中国から日々、言語的および軍事的な脅威に晒されており、中国は台湾本土への侵略を試みるだけでなく、しばしば海外でも圧力をかけている」と指摘した。
イタリアの元外相であるテルツィ上院議員は、中国がソーシャルネットワークを利用して認知戦を展開していると警告したと聯合報は伝えた。
今月8日と9日にイタリアを訪問したワン部長が宿泊を予定していたこのホテルは、習近平国家主席が2019年に一帯一路構想の覚書署名のためにイタリアを訪問した際にも利用された場所である。
当時のイタリアのメディア報道によると、中国はローマの高級ホテルの多くが米国大使館に近いため、比較的離れたこのホテルを好むと報じられたと聯合報は伝えている。
中国は、米国大使館が周辺の音波を傍受する技術を有していると考えているため、当時提示された宿泊条件の一つが「米国大使館に近づかないこと」であったという。
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