米政府閉鎖、13日目に突入 下院議長「交渉せず、史上最長になる可能性」
共和党、オバマケア補助金の延長を拒否し民主党と対立
議会休会で政府機関の閉鎖や航空便の遅延など影響拡大

マイク・ジョンソン米下院議長は14日(現地時間)、連邦政府の一部閉鎖(シャットダウン)が「米国史上最長の政府閉鎖」になる可能性があると警告した。
ジョンソン氏は民主党に対し、政府再開の前提として医療保険制度をめぐる要求を撤回するよう求め、「民主党が方針を改めない限り交渉には応じない」と強調した。
シャットダウン13日目となったこの日、ジョンソン氏はワシントンの連邦議会議事堂で記者団に対し、「我々は今、米国史上最長級のシャットダウンに突き進んでいる」と述べた。
今回の政府閉鎖は、ドナルド・トランプ政権が連邦公務員数千人を解雇する異例の措置と重なり、政治的な波紋が広がっている。J・D・ヴァンス副大統領は「今後さらに痛みを伴う人員削減が続くだろう」と述べ、労働組合は相次いで訴訟を起こした。
議会は事実上、機能停止に陥っている。下院はジョンソン議長が招集を拒否して休会中で、上院も連邦祝日のため閉会している。
民主党は医療保険補助金の延長要求を堅持する一方、共和党は「その問題は後で協議すればよい」と応酬している。
今回の対立の核心は「オバマケア(ACA)」の補助金問題だ。補助金が年末に失効すると、オバマケアの保険取引所を通じて個人保険を購入している数百万人が支援を失うことになる。民主党は延長を主張し、共和党はまず政府を再開させたうえで議論すべきだとして対立が続いている。
トランプ大統領は政府閉鎖の長期化にもかかわらず、軍人の給与支給を継続するよう指示した。沿岸警備隊員も同様に給与を受け取るという。この措置は、2019年の第1期トランプ政権下で「メキシコ国境の壁予算」をめぐり35日間続いた最長の政府閉鎖を想起させる。
緊急資金の運用範囲も拡大されている。米議会予算局(CBO)は、国防総省や財務省、国土安全保障省などが2025年度財政調整法に基づき確保した直接予算の一部を活用し、必要人員を維持できると明らかにした。
国防総省は、未払いリスクが生じていた軍人給与のため、80億ドル(約1兆2,100億円)の未使用研究開発費を転用したと説明している。
一方、シャットダウンの影響は社会全体にも及んでいる。スミソニアン博物館をはじめとする主要文化施設が閉鎖され、空港運営にも混乱が生じるなど、米国内では不確実性が一段と高まっている。
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