
米国のドナルド・トランプ大統領が移民取り締まり反対デモの激化を受け、鎮圧のため州兵投入を指示し物議を醸す中、ポートランドでこれに抗議する「全裸自転車デモ」が行われた。
AP通信によると、この日のデモ参加者らは身体の大部分または一部を露出した姿で自転車に乗り、市街地を行進したという。全裸自転車イベントは毎年この時期にポートランドで開催されるが、今年は特に、トランプ政権による州兵投入に抗議する「緊急行事」として急遽組織された。
デモ当日は肌寒い秋雨が降り、気温は12度(約53.6°F)前後だったが、参加者らは気に留めなかった。一部はヘルメットのみを着用し完全に裸で自転車に乗り、他の参加者はカエルやユニコーン、バナナなどの奇抜な仮装をして街に繰り出した。主催者は「トランプ大統領による州兵動員でのデモ鎮圧の試みに反対するため、今回の『緊急デモ』を開催した」と述べた。
この日、デモ隊は都心を横断し、米移民・関税執行局(ICE)庁舎前に移動した。警察は「道路占拠は逮捕の可能性がある」として歩道への移動を促したが、参加者らは歌を歌いながら手を振って平和的に抗議を続けた。
最近ポートランドではICE庁舎前で連日デモが続いている。連邦警察が催涙ガスなどを使用して強制排除を試みているが、市民らは「暴力より連帯とユーモアの方が強力だ」と反発している。5日、連邦判事はトランプ政権の州兵投入計画の一時中断を命じた。これに対する控訴審判決が近く出される見込みだ。
ポートランドの「全裸自転車デモ」は2004年から毎年開催されている。当初は環境汚染と車中心の都市化に対する抗議として始まったが、現在では表現の自由と人権を象徴する市民参加型イベントへと発展した。
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