
今年上半期、米国内農場の破産申請件数が前年同期比57%増加したことが判明した。米連邦裁判所によると、第1・第2四半期の米国内農場の破産申請件数は88件・93件の計181件に上ったという。昨年の上半期(115件)から57%増加した。
主因はトウモロコシと大豆の価格下落だ。米農務省(USDA)によると、中国は9月18日(現地時間)まで今年産の米国産大豆を全く輸入していないという。米国が2024年に中国へ輸出した大豆は2,700万トンに達していた。
中国向け輸出が途絶えた大豆は価格暴落と在庫負担を引き起こしている。6日、米経済誌「フォーチュン」は2022年比で今年のトウモロコシと大豆の価格がそれぞれ50%、40%下落したと報じた。ブルームバーグは8日、ノースダコタ州の大豆収穫量が貯蔵能力を33%上回ったと伝えた。サウスダコタ州とネブラスカ州の超過率はそれぞれ26%、15%だ。
さらに追い打ちをかけるように、米政府のシャットダウン(一時的な業務停止)により農家支援策も滞っている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は7日、米行政部が関税収入を活用し100億ドル(約1兆5,120億円)規模以上の農家融資支援を計画していたと報じた。しかし、米政府は議会の予算案合意失敗により1日からシャットダウンに入り、12日時点で農家融資支援の詳細計画を発表できていない。
政府のシャットダウンは農業関連の統計ネットワークも停止させた。ロイター通信によると、USDAの職員8万5,000人のうち4万2,000人が一時帰休となり、農業関連の統計報告書作成が中断されたという。そのため、9日に発表予定だった10月の「世界農業需給見通し(WASDE)」の公表が中止され、トウモロコシと大豆の生産量推定や世界需要の見通しが確認できなくなった。現地の農家からは「市場全体の状況が見えず、事実上『目隠し状態』だ」との声が上がっているとロイター通信は伝えた。
こうした中、31日に韓国・慶州で開催される2025年アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議が米中対立の決着の場になるか注目されている。米国のドナルド・トランプ大統領は10日、「APEC首脳会議で中国との大豆問題を協議する可能性がある」と述べた。トランプ大統領は中国がレアアースの輸出規制に乗り出したため、11月から中国製品に100%の追加関税を課すと表明しつつも、首脳会談を行う可能性を残している。
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