
ロシアの同盟国であるベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、トマホーク巡航ミサイルのウクライナ支援の可能性に強く反発した。15日(現地時間)、英国の「インディペンデント」など海外メディアによると、ルカシェンコ大統領はトマホーク支援は事態をさらに悪化させ、核戦争に至る恐れがあると警告した。
報道によれば、ルカシェンコ大統領は14日、ベラルーシの首都ミンスクで開かれた会議で「ウクライナにトマホークを配備しても戦争は解決せず、むしろ核戦争に発展して事態を悪化させる」と述べ、ロシアを支持する姿勢を示した。さらに「おそらくドナルド・トランプ米大統領はこの事実を理解しており、ロシア領内深くを攻撃できる致命的な兵器をウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領に渡すことはないだろう」と主張した。
ルカシェンコ大統領は1994年にベラルーシ初代大統領に就任後、憲法改正などを経て30年以上にわたり政権を維持しており、「ヨーロッパ最後の独裁者」と呼ばれている。そのためベラルーシは西欧諸国から様々な制裁を受けてきたが、ロシアとの経済的・軍事的結びつきは一層強化された。特にルカシェンコ大統領は、ウラジーミル・プーチン露大統領と緊密な関係を持ち、ロシアによるウクライナ侵攻に際しても兵力移動の通路を提供するなど、強力な同盟国として機能している。また、ロシアはベラルーシに戦術核兵器を配備し、事実上一体として行動している。

一方、ゼレンスキー大統領は先月の国連総会期間中、非公開会合でトランプ大統領にトマホーク支援を要請していた。この事実が報じられると、ロシアは厳しい反応を示し、先月2日にはプーチン大統領が米国がウクライナにトマホークを提供すれば緊張が新たな段階へ悪化すると警告していた。しかしトランプ大統領は12日、ロシアが戦争を継続する場合、ウクライナへのトマホーク支援もあり得ると述べ、米国自身はミサイルを直接供与しないものの、北大西洋条約機構(NATO)を通じてウクライナに提供可能だと指摘した。17日にはトランプ大統領がゼレンスキー大統領と直接会談し、トマホーク支援の方策について協議する予定である。

トマホークは米国製の巡航ミサイルで、「戦争を告げる信号弾」とも呼ばれ、米国が軍事介入や戦争を行う際、開戦初期に敵の重要目標を攻撃する手段として使用される。射程は約2,400キロメートルに達し、ウクライナが使用すればモスクワなどロシア国内深部まで攻撃可能となる。過去にもウクライナは米国にトマホーク支援を求めたが、ロシアの反応を懸念した米国は承認してこなかった。
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