
カンボジアのサイバー犯罪や誘拐、殺人事件が注目される中、隣国ミャンマーでも中国系犯罪組織が勢力を拡大し、現地の政治・軍事関係者の庇護を受けていたと報じられている。
ニューシスによると、ミャンマー北部で活動していた犯罪組織の首領は15日、中国中央テレビ(CCTV)とのインタビューで「ミャンマーの政治・軍事指導者の支援を受け、中国人を主な標的に詐欺を行っていた」と語った。
香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』によれば、この組織「ワイサン」を率いていたウェイ・ファイレンは、今年1月にミャンマー当局から中国側に引き渡されたという。
福建省泉州市の警官も「ミャンマー北部コーカン地域に拠点を置く主要な中国系犯罪組織の一つ、ウェイ一族の活動は、事実上当局の黙認を受けていた」と語った。
報道によると、ウェイ一族は他の組織と異なり、首領自らが軍を指揮していた点が特徴だという。
2009年、ミャンマー当局は中国系民兵と協定を結び、彼らが名目上は国軍傘下の国境警備隊として活動できるようにした。ウェイはこの地域で主要な勢力を築いていた。
CCTVは「彼らは表向き国から給与を受け取り国境警備を担当していたが、裏では国家機関を利用して一族の利益を守っていた」と伝えた。
ウェイ・ファイレンは「私はコーカンの国境警備隊の最高責任者だ」とインタビューで述べた。
当初この一族は賭博や違法な娯楽事業で資金を得ていたが、2017年以降は通信詐欺に転向したとされる。後継者に指名された甥の陳大威は、殺人に関与した疑いもあると伝えられている。
CCTVによれば、一族は「偽の投資案件」を装い、恋愛感情を利用した詐欺を行っていたという。
中国公安部は15日、ウェイ一族が殺人、詐欺、誘拐、賭博場の運営、違法サービスのあっせん、違法薬物取引などの容疑を受けていると発表した。
公安部によると、この組織は少なくとも8人の中国人を殺害し、犯罪行為によって数百万ドル規模の利益を得ていた。
中国当局は過去2年間にミャンマー当局と連携し、通信詐欺などの犯罪を取り締まり、5万7,000人以上の関係者を拘束した。
先月、浙江省の裁判所は別の犯罪組織「ミン一族」のメンバー11人に死刑を、残る5人に執行猶予付きの死刑を言い渡した。首領のミン・グオミンは2023年に逮捕後、自殺したとみられている。
また、コーカン出身の別の組織を率いていたバイ・スオチョンは、現在広東省深圳で裁判を受けている。
中国共産党中央政法委員会のチャン・ウェンチン書記は、「海外の詐欺グループを徹底的に摘発し、国内の犯罪者も厳しく処罰する必要がある」と述べたと新華社通信が報じた。
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