中国の習近平国家主席は、親中派の台湾の最大野党・国民党の新任党首として当選された朱立倫氏に送った祝賀書簡において、統一推進への努力を促した。
19日(現地時間)、中国官製メディアの新華社などによると、この日、習主席は中国共産党中央委員会総書記の立場で、国民党の新任党首である朱当選者に祝賀書簡を送り、「両党は共同の政治的基盤を強化し、台湾の人民を団結させ、交流と協力を深化させるとともに、共同の発展を促進し、国家統一を推進すべきだ」と強調したという。

朱当選者は、習主席への返信の中で中国との統一には直接言及しなかったものの、「両岸は中華民族の構成員」であると述べ、民族的な同質性を強調した。国民党は声明で「朱当選者が現状を踏まえ、両岸間の既存の基盤の上で交流と協力を強化し、平和と安定の促進に努めるべきだ」と述べた。
国民党は2024年の総統選挙では敗北したが、国民党と同盟関係にある少数政党である台湾民衆党と合わせると、議会で過半数を占めている。国民党は中国共産党に敗れて台湾に渡ったが、現在では露骨に親中路線を取っているとの評価を受けている。中国は対話の相手として国民党を好み、分離主義者と位置付けられている台湾の頼清徳総統および与党・民進党政権との対話を拒否している。
朱当選者は18日に行われた国民党の主席選挙で、党内の主流派であった前台北市長の郝龍斌氏を破り、第12代国民党主席に当選した。今年11月1日に国民党主席に就任する予定だ。選挙過程では中国の介入疑惑が浮上し、論争を呼んだ。昨年の総統選挙で国民党副総統候補だった趙少康氏は、郝龍斌氏支持者に対するオンライン上の虚偽情報拡散を問題視し、「中国の介入があった」と主張した。
趙氏は19日、自身のフェイスブックで「国民党は親中路線を弱めるべきであり、大多数の台湾人は平和的な関係と対話を望んでいる」と述べ、さらに「選挙は台湾で行われ、有権者は台湾にいるという事実を国民党は認識すべきだ」と付け加えた。
18日の夜、民進党の呉崢報道官は「国民党の選挙には中国の関与が明白だ」と主張した。これに対し国民党は「誰の発言か」と短い声明で一蹴した。朱当選者はもともと民進党出身だったが、2005年に国民党へ入党した。
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