イギリス政府が、自国の軍事基地を脅かすドローンを確認した場合、即座に撃墜できる権限を軍に付与する方針を示した。

英紙テレグラフによると、イギリスのジョン・ヒーリー国防相は20日(現地時間)、この新たな措置を正式に発表する予定だという。ヒーリー国防相は、強まるロシアの脅威に対応するため、自国の主要軍事施設を防衛するための新たな構想を明らかにするとみられる。
政府関係者によれば、この計画は、兵士がドローンを目撃した際の「官僚的な手続き」を簡略化し、兵士らがライフルなどでの撃墜を迅速に実行できるようにする狙いがある。いわば、より「断固たる措置」を取ることを可能にするものだという。
現在、イギリス軍はドローンの探知や信号の傍受、GPSの妨害といった特殊な対ドローン装備を運用しているが、現場での「物理的な撃墜」はこれまで極端な状況でしか許されていなかった。
政府関係者の話では、今回の新たな権限はまず軍事施設に適用される見通しだが、今後は空港など他の重要インフラ施設への拡大も検討されているという。
昨年には、アメリカ軍が使用するイギリス空軍基地4カ所で正体不明のドローンが相次いで確認され、警戒態勢が強化された。この事態を受けて、イギリス軍は追加の部隊を配備している。
さらに最近では、ヨーロッパ各地でロシアのドローンが飛来する事例も増えている。先月にはロシア製ドローン19機がポーランドの領空を侵犯し、デンマークやノルウェー、ドイツでも同様の不審ドローンが確認された。
ロシアはウクライナへのドローン攻撃も拡大させており、ヒーリー国防相は「ロシアがヨーロッパ全域で攻勢を強めている」と警告した。イギリスもこの脅威から無縁ではないとの認識を示す見通しだと、テレグラフは伝えている。
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