世界のコーヒー価格が急騰した。ブラジル産コーヒーの在庫が5年ぶりの最低水準に落ち込んだ上、米国のドナルド・トランプ大統領がコロンビア産輸入品への追加関税を予告し、供給不安が高まった影響だ。
20日(現地時間)、ブルームバーグによると、ニューヨークのインターコンチネンタル取引所(ICE)で取引されるアラビカコーヒー先物(最も活発な銘柄)が一時、ポンドあたり4.10ドル(約619円)まで3.2%上昇したという。
ICEは17日、約7,000袋のブラジル産コーヒーが倉庫から出庫され、ブラジル産豆の在庫が2020年10月以来の最低水準に減少したと発表した。この減少は、供給不足と関税負担の中、米国のコーヒーロースター(焙煎業者)が既存在庫を急速に消費している状況で発生した。

原材料リサーチ会社「Commtrendz Research」のグナナセカール・ティアガラジャンCEO(Gnanasekar Thiagarajan)は、「トランプ大統領がブラジル産コーヒー輸出に50%の関税を課すと決めた後、取引業者は新規契約を先延ばしにしている」と述べた。さらに最近、トランプ大統領は「米国はコロンビアへの援助を中止し、新たな関税を課す」と明言し、供給不安がさらに拡大したとの分析もある。
ブラジルとコロンビアは、米国の生豆(未焙煎のコーヒー豆)の最大の供給国だ。これまでコロンビア産コーヒーはブラジル産の供給減少分を補ってきたが、最近では米国の関税回避のため、逆にブラジル産豆がコロンビアに流入する現象も見られている。
StoneXのチーフトレーダー、トーマス・アラウホ氏は、「もしコロンビアに追加関税が実際に課されれば、すでに利益を削って耐えているコーヒーロースターにとっては『棺桶の蓋を閉じる最後の釘』になるだろう」と指摘した。
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