
サウジアラビアの実権者であるムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が来月17日から19日まで米国を訪問する予定だ。米国のドナルド・トランプ大統領との会談も予定されており、ビン・サルマーン皇太子が米国との防衛条約を締結するかどうかに注目が集まっている。
21日(現地時間)、AFP通信はビン・サルマーン皇太子の米国訪問計画を伝えた。ビン・サルマーン皇太子の今回の訪米は、トランプ政権1期目であった2018年以来初である。フィナンシャル・タイムズ(FT)も最近、ビン・サルマーン皇太子の米国訪問をきっかけに、サウジアラビアと米国が軍事・情報協力の強化を柱とする防衛条約を締結する可能性があると報じた。
サウジアラビアは長年、米国との防衛条約締結を目指してきた。ジョー・バイデン前政権時代にも、イスラエルとの関係正常化を含む協議が数か月間行われていたが、イスラム組織ハマスが2023年10月7日にイスラエル南部を奇襲攻撃し、ガザ地区で戦争が始まると協議は中断された。
特にサウジアラビアは米国の伝統的な同盟国であったが、2017年にサウジの反体制ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の暗殺の背後にビン・サルマーン皇太子が指名され、バイデン前政権との関係がぎくしゃくした。その後、再び政権を握ったトランプ大統領が5月にサウジを訪問した際、ビン・サルマーン皇太子は1,420億ドル(約21兆5,628億円)規模の米国製武器を購入し、手厚くもてなした。
また、米国とサウジアラビアとの防衛条約締結は、サウジアラビアとイスラエルの関係正常化など多くの問題と絡む。サウジアラビアはこれまで、イスラエルが反対するパレスチナ国家樹立をイスラエルとの関係正常化の前提として提示してきた。トランプ大統領は、政権1期目にイスラエルが一部アラブ諸国と締結した国家関係正常化協定「アブラハム合意」にサウジが参加し、中東全域に新たな秩序が構築されることを期待している。
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