
イーロン・マスクCEO率いる宇宙企業「スペースX」が、米国の有人月面着陸計画に用いる宇宙船の開発が遅れていることを受け、米航空宇宙局(NASA)はスペースXとの契約撤回の可能性を示唆し、月面着陸契約を競争入札へ切り替えると発表した。
NASAの暫定長官兼米運輸省長官であるショーン・ダフィー氏は20日(現地時間)、米CNBCとのインタビューにおいて、NASAの月面着陸計画「アルテミス計画」について「スペースXが予定より遅れている」と指摘し、「他社とも契約を結ぶ」と述べた。
ダフィー長官はまた、フォックス・ニュースでも「契約を競争入札に切り替える」と述べ、世界最大のEC企業Amazonの創業者ジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙企業「ブルーオリジン」を潜在的な競争相手として挙げた。
さらに彼は「中国との第二次宇宙競争に勝利するため、このプロジェクトを推進する」とし、「ドナルド・トランプ米大統領の任期内に月に到達するため、必要な契約を再度締結する」と付け加えた。
NASAのアルテミス計画に参加しているスペースXは、2021年にアルテミス3号任務で宇宙飛行士を月面に着陸させるシステムを提供する契約を獲得している。その後、NASAは昨年12月、アルテミス2号の打ち上げを2026年4月に、アルテミス3号の月面着陸任務を2027年に延期した。
しかし、スペースXが2027年までにアルテミス3号任務を完遂できるかについては疑問が残る。マスクCEOが人類の火星移住などを目指す超大型宇宙船「スターシップ」の開発に注力しているため、アルテミス3号任務は遅延している。
スペースXは最近、第10回および第11回のスターシップ地球軌道試験飛行に成功したが、それ以前の3回の試験飛行では連続して失敗し、開発の遅れに対する懸念を高めていた。
アルテミスの競争入札が始まったとしても、3週目に入った米政府のシャットダウン(一時的な業務停止)状況により、この計画に支障をきたす可能性があるとCNBCは指摘した。同局は、アルテミス任務に参加するNASA職員がシャットダウン期間中も引き続き業務を遂行するとの報道もしている。
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