
米トランプ政権が各国に対し、ロシア産原油の輸入停止を求め圧力を強めているものの、中国のロシア原油輸入量に大きな変化は見られないことが分かった。
21日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、中国税関当局・海関総署は前日、9月のロシア産原油輸入量が829万トンであったと発表したという。これは前年同月比約4%減少しているが、8月比では4.3%増加している。中国の9月の全原油輸入量に占めるロシア産の割合は17.5%であり、ロシアは依然として中国最大の原油供給国である。
米国のドナルド・トランプ大統領は8月、ロシア産石油輸入を理由にインドに対する関税を大幅に引き上げるなど圧力を強めたが、中国のロシア産原油の輸入量は減少していない。中国の米国産原油輸入は6月から停止されている。中国の原油輸入量における米国産の割合は従前から小さい。また、中国がトランプ政権2期目の貿易戦争初期である2月から米国産原油に追加関税を課したことが影響していると見られる。
経済分析機関エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の中国担当チーフエコノミストである徐天辰氏は、前月よりロシア産原油輸入が増加したことについて、米中貿易協議および首脳会談を控えた中国が抵抗の姿勢を示している可能性があると述べた。彼は、トランプ大統領が中国に課した全ての関税の撤廃および中国企業に対する制裁解除が行われなければ、中国がロシア産石油を手放す理由はないと指摘した。
一方で、中国はロシア産以外にインドネシア産およびブラジル産の原油輸入を大幅に増加させたことがわかった。中国の9月におけるインドネシア産原油の輸入量は前年同月比73倍に増加し、ブラジル産は156%増加している。これにより、中国は原油の輸入先を拡大し、ロシア産の一部を代替していると伝えられている。
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