
ロシア・ベラルーシと国境を接するリトアニアでは、タバコ密輸用の気球のため、首都ヴィリニュスの国際空港がまた閉鎖された。現地メディアのLRTによると、ヴィリニュス空港は21日(現地時間)の午後10時から22日の午前6時30分まで運航を中断したという。航空機約30便が離着陸に支障をきたし、4,000人以上の乗客が影響を受けた。
空港側はベラルーシ側から飛ばされたと推定される気象観測用気球数十個が領空に侵入したと明らかにした。リトアニアは夜間にベラルーシとの国境にある検問所2か所も閉鎖した。ヴィリニュス空港は今月4日の夜から翌朝にも気象観測用気球20個以上が出現し、運営を中断したことがある。
リトアニアはベラルーシの業者が欧州連合(EU)加盟国にタバコを高く売るため、気象観測用気球にタバコを積んで運搬していると見ている。当局は夜間に気球12個とタバコ7,000箱を回収し、関連者4人を逮捕した。リトアニアは密輸に加え、ベラルーシが自国の航空交通を妨害する目的で気球を飛ばしていると主張した。
リトアニア首相府次官兼国家危機管理センター長のヴィルマンタス‧ヴィトカウスカス氏は、ヴィリニュスを含む5つの地域で気球が発見されたとし、「一か所で飛ばされたのではなく、組織的な作戦だった可能性が高い」と述べた。リトアニアのインガ・ルギニエネ首相は「気球がまた大規模に国境を越える場合、ベラルーシとの国境を即時に閉鎖する」と述べた。
リトアニアの首都ヴィリニュスはベラルーシとの国境から約30kmの距離にある。リトアニアは南西にロシアの飛び地カリーニングラードと国境を接している。旧ソビエト連邦の構成国であり、現在北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるリトアニアは、ウクライナを積極的に支援し、ロシア・ベラルーシとの武力衝突の可能性に備えている。
今年1月、リトアニアはNATO加盟国の中で最初に国防費を国内総生産(GDP)の5%以上に増やすと宣言した。リトアニアのドヴィレ・シャカリエネ国防大臣は来年度の国防予算をGDPの5.5%まで増額しようとしたが、ルギニエネ首相と対立し22日に辞任した。彼は予算案の草案で国防費の比率がGDPの4%を下回っており、これを5.38%まで引き上げたが、依然として不足していると主張した。
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