
ロシア軍が、ウクライナ軍に降伏の意思を示した自国兵士をドローンで殺害する映像が公開され、衝撃が広がっている。
ウクライナ軍司令部がテレグラムに投稿した映像には、ロシア兵とみられる男性が人気のない道を歩き、ウクライナ軍を発見して両手を上げ、降伏の意思を示す様子が映っている。
しかし直後、当該兵士に何かが衝突したような爆発が起き、兵士はその場で命を落としたとみられる。

ウクライナ軍は「このロシア兵は、もはや戦う意思がなく武器を置いたが、ロシア軍のドローンが爆発物を投下して即死させた」と主張している。ウクライナ軍司令部は「敵(ロシア軍)のドローン操縦士は、自国兵の生存を許さなかった」と述べ「降伏しようとした兵士を殺害したこの行為は、ロシアが自国兵士の命さえ顧みない証拠だ」と非難した。
また「ロシア軍は兵士の戦意低下を隠すため、こうした残虐な行動をいとわない」と強調した。
ロシア軍、命令拒否や脱走兵士の殺害を指示
ウクライナ現地メディアによると、同様の事例は過去にも複数報告されており、ロシア軍は兵士の脱走を防ぐためにドローンを使用しているという。
ウクライナ国防省情報部は今年初め、電話の傍受を通じて、ロシア軍のある司令官が「前線から逃げようとする味方を殺せ」と部下に命じていた事実を確認したと発表した。
その際、司令官は東部ドネツク州の前線で「後退は許されない。誰もどこへも逃げるな。持ち場を死守し、逃げる者は撃て」と指示していたという。
米国当局も「ロシア兵は撤退を試みれば、部隊全員が殺される可能性があるという脅しを受けている」と警告している。

先週には、ウクライナ軍がドネツクで手錠をかけられたまま木に縛られ、死亡しているロシア兵4人を発見したと現地メディアが報じた。ロシア兵4人は、ウクライナ侵攻の命令を拒否したため、上官が食料や水を与えず拘束し、木に縛りつけて死に至らせたとされる。
今年6月には、ロシア西部クルスク州の戦闘でウクライナ軍に降伏したロシア兵らが「(ロシア軍)部隊内での虐待が、捕虜生活よりもはるかに過酷だった」と証言していた。
ウクライナ軍情報機関によると、2024年末以降、脱走したロシア兵はすでに2万5,000人を超えているという。
トランプ大統領「プーチン大統領との会談を中止」…米国が追加制裁を発表
2025年10月現在、ウクライナでの戦闘は依然として激しい膠着状態にある。ロシア軍はドネツク、ルハンスク、ザポリージャ各州を中心に徐々に前進を続け、ウクライナ領土のおよそ20%を占領している状況だ。
ここ数週間は、ドネツク北部リマンやハルキウ南部、ザポリージャ周辺で激戦が続いている。ウクライナ軍は北東部スームィ州で一部の村を奪還するなど局地的な反撃に成功しているが、全体としてはロシア軍が優勢とみられている。

ドナルド・トランプ米大統領とウラジーミル・プーチン露大統領は一時、停戦に向けた協議を模索していたが、最終的に破談となった。トランプ大統領は22日(現地時間)「プーチン大統領との会談は適切ではないと判断し、中止した」と述べ「今はその時期ではないが、将来的には会談の可能性がある」と語った。
同日、米財務省はロシアの主要石油企業を対象とした追加制裁を発表し「今回の制裁は、ロシアのエネルギー分野への圧力を強化し、クレムリンが戦争資金を調達し経済を支える能力を制限することを目的としている」と説明した。
















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