
米トランプ政権が、ウクライナ軍へ欧州から提供された長距離ミサイルの使用制限を解除したと、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が22日(現地時間)に報じた。これを受け、ウクライナ軍は前日、英国が提供した巡航ミサイル「ストーム・シャドウ」を用い、ロシア国境付近の化学工場を攻撃した。
さらに、米財務省は、米国のドナルド・トランプ大統領就任後初めて、ロシア企業2社に対する制裁措置も講じた。トランプ大統領は、休戦に消極的なロシアのウラジーミル・プーチン大統領を交渉の場に引き出すため、強硬策をとったとみられる。一方、プーチン大統領は「核戦力訓練」を直接指揮し、強硬な対決姿勢を継続した。
射程250kmの巡航ミサイル、ストーム・シャドウをウクライナに提供したのは英国であるが、攻撃目標の設定に必要なデータは米国が管理している。WSJによると、米国は攻撃目標設定に関する承認権限を、ピート・ヘグセス米国防長官から米国欧州軍司令官のアレクサス・グリンケウィッチ大将に移管したとされる。
実際、21日、ウクライナ軍参謀本部は、爆発物とロケット燃料を生産するロシアのブリャンスクに所在する軍需工場を、ストーム・シャドウで空襲し、成功裏に命中させたと発表した。
トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスにおいて北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長と会談した際、プーチン大統領とのハンガリー・ブダペストでの会談が中止されたことを公式に確認し、記者団に対して「(会談を行うのは)適切でないと感じた。我々が達成すべき地点に到達することはなかっただろう」と説明した。
また、米財務省は同日、ロシア最大の石油企業である「ロスネフチ」と「ルクオイル」に対する制裁を発表した。トランプ政権2期目がロシア企業に制裁を課したのは初めてである。
クレムリン(ロシア大統領府)はこの日、プーチン大統領の指揮下で「陸海空の戦略核戦力訓練」が実施されたと発表した。クレムリンは、これは予定された訓練であったと説明したが、多くの見方では、トランプ大統領の制裁措置に対する「核武力の示威」とみなされている。
ロシアのドミートリー・メドヴェージェフ安全保障会議副議長は23日、米ロ首脳会談の中止とロシア制裁措置について「米国は我々の敵である」とし、「ロシアに対する戦争行為だ」と強く非難した。

















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