H3ロケット7号機が打ち上げ成功、HTV-Xが軌道投入
アルテミス月探査計画の物資輸送も視野に開発
30日にISSとドッキング、3か月の技術実証後に大気圏で消滅

国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送する日本の新型宇宙輸送船「HTV-X」の打ち上げが成功した。
26日、NHKによると、HTV-Xを搭載したH3ロケット7号機は午前9時、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられた。補助ロケット4基と第1段ロケットを順次切り離しながら上昇し、約14分後に予定軌道への投入に成功した。
HTV-Xは、ISSに実験装置などを運ぶために開発した新型の無人輸送船で、2020年まで運用された「こうのとり」の後継機にあたる。輸送能力は従来の約1.5倍に向上し、国際月探査計画「アルテミス」での物資輸送も視野に、安定的な電力供給を可能にする太陽電池パネルを新たに装備した。搭載燃料も増量されている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、HTV-Xの開発費は約356億円。全長は8メートル、直径は4.4メートルで、最大5.8トン超の物資を積載できる。
今回の輸送船には、将来の有人探査を見据えて開発された実験装置や宇宙飛行士の食料、JAXAが開発した二酸化炭素除去装置などが積み込まれている。また、日本実験棟「きぼう」を民間企業が有償利用できるようにするための物資も含まれる。
山口県の八百新酒造は、宇宙用の醸造装置と米・麹・酵母を搭載し、ほぼ無重力環境で「宇宙醸造」実験を行い、その成果を地球に持ち帰る計画だ。

HTV-Xは打ち上げ後約4日でISSに接近し、日本人宇宙飛行士が操作するロボットアームで捕捉され、30日にドッキングする予定である。輸送任務を終えた後はISSから分離し、地球周回軌道上で技術実証を行う。およそ3か月間にわたり、超小型衛星の放出や平面型アンテナを備えた軽量パネルの展開試験などを実施し、その後、大気圏へ再突入して燃え尽きる予定である。
JAXAは、HTV-XによるISSへの物資輸送を2030年まで継続する方針を示している。
一方、H3ロケットはこれまでに5機が打ち上げられており、2023年の1号機打ち上げ失敗後、今年2月までに4機連続で成功している。6号機は7月の燃焼試験結果を受け再試験が必要となり、打ち上げ時期は未定とされている。














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