
米国とベネズエラの対立が高まる中、米海軍の最新鋭原子力空母がカリブ海に向けて移動することが分かった。米国防総省は24日(現地時間)、原子力空母ジェラルド・R・フォード艦隊がまもなく中南米へ展開すると発表した。現地では、ベネズエラを念頭に置いた米国の対ラテンアメリカ軍事行動としては、これまでで最も強力な措置だとの見方が出ている。
米政府は名目上、麻薬密輸対策の一環だとしているが、強大な武力を持つ空母が中南米海域に展開することは、将来的な地上作戦に備えた前段階との観測もある。報道によれば、フォード空母艦隊は現在カリブ海から約8,000キロ離れたクロアチア近海にあり、カリブ海到達まで最長で1週間程度と見込まれている。

ドナルド・トランプ米大統領は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を「麻薬カルテルのボス」と非難し、露骨に政権交代を迫っている。米軍は近海で「麻薬運搬船」と主張する船舶を複数撃沈し、少なくとも37人が死亡したとされる。また、ベネズエラ周辺には約1万人規模とされる米兵が集結していると米メディアが伝えている。
さらに「死の白鳥」と呼ばれる米空軍のB1B爆撃機が23日、ベネズエラ海岸から約80キロまで接近飛行し、軍事的圧力を一段と強めた。核搭載可能なB52爆撃機3機がベネズエラ近海の公海上空を飛行してから、わずか1週間あまりのことだ。

トランプ大統領は23日、ワシントンのホワイトハウスで「ベネズエラで地上作戦が近く実施されるだろう」と述べ「ベネズエラ関連の麻薬カルテルに対する作戦計画を議会に通知する予定だが、宣戦布告は必要ないと考えている」と語り、強硬姿勢を鮮明にした。
ジェラルド・R・フォードは2017年に就役した世界最大級の原子力空母で、排水量は10万トン超、5,000人以上の乗組員が搭乗可能だ。F35CやF/A18E/F「スーパーホーネット」など約75機の航空機を運用し、複数の駆逐艦や潜水艦を随伴させる米海軍の中核的戦力である。













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