
イスラエル軍が停戦協定にもかかわらず、28日(現地時間)にガザ地区への攻撃を再開し、同日夕方に子供と乳児1人を含む7人が死亡したと、パレスチナ民間防衛隊が明らかにした。
ニューシスの報道によると、ガザ自治政府のマフムード・バッサル報道官は、同日、南部カーン・ユーニス市のアル・カッサム通りを走行していたツーソン型SUV車両がイスラエル軍の空爆を受け、子供を含む5人が即死したと述べたという。救助隊と民間防衛隊員が現場に駆けつけ、遺体を近隣の病院へ搬送したとされている。
さらに別の攻撃では、ガザ市南部サブラ地区にあるアルマナ一家の3階建て住宅が空爆を受け、子供1人と乳児1人を含む2人が死亡、4人が負傷したと説明したと、バッサル報道官は海外メディア記者を通じて明らかにした。
この爆撃により建物は完全に破壊し、周辺の住宅にも深刻な被害が出ている。救助隊は、瓦礫の下に生存者がいないか捜索を続けているという。
パレスチナの目撃者たちは、この日、ガザ市内および郊外の複数箇所でイスラエル空軍機が激しい空爆を行い、ガザ中部のデイル・アル=バラフ郊外や南部カーン・ユーニス市東部でも砲撃が続いたと説明した。
イスラエル軍は現時点でこれらの攻撃についてコメントしていない。
ハマスは記者会見で、イスラエル軍がガザ全域で攻撃を再開したことは「明白な停戦協定違反」だと非難し、停戦仲介国に対して「ガザの民間人への攻撃を直ちに停止させ、停戦合意の条項を完全に履行させるよう圧力をかけるべきだ」と訴えた。
28日、ハマスの武装組織であるアル・カッサム旅団は、イスラエル軍が停戦協定を違反したと非難する声明を発表し、その結果として、予定されていたイスラエル人質1人の遺体の引き渡しを行わないと表明した。
ハマスは同日夜に予定されていた遺体引き渡しを延期したうえで「イスラエル軍の挑発と攻撃再開により、今後、人質遺体の捜索や掘り出し作業が難しくなった」と主張した。
ハマスはその数時間前、ガザ南部の地下トンネルで行われた捜索作戦により、イスラエル人質1人の遺体を発見したと明かしていた。
ハマスのこの発表に先立ち、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「ガザ地区への即時かつ強力な攻撃を再開するよう軍に指示した」とし、ハマスが停戦協定を違反したことが理由だと述べた。
また、ネタニヤフ氏は、この命令が国防省の最高幹部らと協議した上で決まった内容だと説明した。
同日、イスラエル軍の国営ラジオは、イスラエル軍が南部ラファ市周辺で砲撃を開始したと報じた。これは、ハマス武装組織が対戦車砲でイスラエル軍を奇襲し、待ち伏せ銃撃戦を行ったためだとされる。
しかしハマスは、同日夜に発表した声明で、今回の事件には関与しておらず、今後も停戦合意を順守する考えを示した。
これ以前にも、イスラエルとハマスは互いに相手方が停戦協定を違反したとして、数多くの攻撃と非難を繰り返してきた。
28日、イスラエル軍は、ハマスが前夜に引き渡した遺体の一部が、同軍が2年前に収容したイスラエル兵の遺体の一部であったことを明らかにした。
同日、ハマスの情報筋は、イスラエル軍がガザ市東部でイスラエル人質の遺体を捜索しようとしていた赤十字国際委員会およびパレスチナ支部の捜索隊の通行を妨害したと非難した。
一方、イスラエルの強硬派国防相イスラエル・カッツ氏は、27日夜に行われた遺体の一部の引き渡しとラファ市へのハマス攻撃の二つの事案について「ハマスが明らかにレッドラインを越えた」と主張し「強力な軍事力を投入して代償を払わせる」と宣言したという。
イスラエルとハマスの戦争は、2023年10月7日の開戦以来、ガザ地区で6万8,000人の死者と17万人の負傷者を出している。
ガザ保健省は、10月10日に停戦協定が発効したにもかかわらず、イスラエル軍の攻撃によりパレスチナ人94人が死亡し、344人が負傷したと28日に発表した。
















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