クレムリン(ロシア大統領府)がどの国でも核実験を再開すれば、ロシアも同等の方法で対応すると明らかにした。米国のドナルド・トランプ大統領が、他の国々が核実験を再開したとして米国も核兵器実験に乗り出すと宣言したことに対する反応である。

タス通信などによると、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は30日(現地時間)、トランプ大統領が戦争省に下した指示に関連し「米国は主権国家として主権的決定を下す権利がある」としながらも「しかし、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が繰り返し明らかにした立場を思い出させたい」と述べたという。そして「誰であれ(核実験)猶予を違反する場合、ロシアは同等の方法で対応する」と強調した。つまり、米国が核兵器実験を再開する場合、ロシアも同様に核実験再開に踏み切るということである。
ペスコフ報道官はロシアが先に実施した原子力推進巡航ミサイル「ブレヴェスニク」の試験発射に言及し「どのような形であれ、ブレヴェスニク実験を他国が実施した核実験として言及するのは全くの事実無根だ」と主張した。
これに先立つ26日、ロシアはブレヴェスニク試験発射に成功したと発表した。プーチン大統領は軍服姿でこれを発表し「世界に類を見ない独自の兵器だ」と誇示した。射程が無制限で原子力推進システムを備えた最先端ミサイルだとの説明も加えた。29日には核兵器搭載と潜水艦発射が可能な原子力推進水中ドローン(無人機)「ポセイドン」の実験成功も公表した。「終末兵器」と呼ばれるポセイドンは超強力核弾頭を装着し、1発で空母打撃群を無力化できるレベルだとされる。
ロシアの相次ぐ核兵器運搬手段の試験に対し、トランプ大統領は30日、ソーシャル・メディアで「米国はどの国よりも多くの核兵器を保有している」とし「他国の核実験プログラムに対抗して、戦争省に同等水準の核兵器実験を開始するよう指示した」と明かした。米国は核拡散防止条約(NPT)に加盟しているが、包括的核実験禁止条約(CTBT)は批准していないため、核実験自体は条約違反にあたらない。米国の最後の核実験は1992年、ネバダ州で行われた。
 
            


















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