カナダに米英仏独伊と日本の外相が集結、11〜12日に会合開催
韓国・豪州・ブラジル・インド・ウクライナなど8か国も追加招待
トランプ大統領、オンタリオ州の反関税広告に激怒し、カナダとの関税協議を中断

主要7か国(G7)の第2回外相会議が11日から14日までカナダ・オンタリオ州で開かれ、各国外相がオンタリオ湖畔に集結した。
会議では、ガザ地区の停戦維持、ウクライナ戦争の終結、各国の国防費増額、さらには世界的な貿易摩擦への対応など、緊急性の高い課題が話し合われる。
カナダのアニタ・アナンド外相はAP通信のインタビューで「貿易戦争と関税圧力の中でも、同盟関係は持続しなければならない。広範な国際課題について意見を交わすことが重要だ」と強調した。
今回の会議には、米国のマルコ・ルビオ国務長官のほか、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本の外相が出席する。
また、カナダ政府は招待国として韓国、オーストラリア、ブラジル、インド、サウジアラビア、メキシコ、南アフリカ、ウクライナの8か国を追加で招待した。
アナンド外相は初日の11日夜、「中東地域の平和と安定を長期的に維持することが最優先課題だ。ガザ和平計画を何としても継続させなければならない」と述べた。
翌12日にはウクライナのクレーバ外相も参加し、エネルギーインフラ支援などを中心に協議が行われる。
英国のイベット・クーパー外相は開会前、冬を前にウクライナの電力網や暖房施設の修復を支援するため、総額1,300万ポンド(約26億円)を拠出すると発表し、「プーチン大統領はウクライナを暗闇と寒さに追いやろうとしているが、英国は電気と暖房を止めさせない」と語った。
一方、今回のG7外相会議では、米トランプ政権の政策転換により、共同声明の取りまとめが難しくなるとの見方も出ている。
北米の同盟国であるカナダに対し、トランプ大統領が輸入品に高関税を課したことも、各国の足並みを乱す一因となっている。
それでもカナダ政府は「G7全体として、米共和党政権の通商政策や停戦提案などの要求とは別に、意見の違いを共有しつつ協調を維持していく」として、同盟の結束を強調した。

国防費の拡大も会議の重要テーマの一つとなっている。
日本を除くG7各国は北大西洋条約機構(NATO)に加盟しており、トランプ大統領が加盟国に対し「GDPの5%を国防費として支出するよう求めた」ことへの対応を協議する。
多くの国が増額方針を示した一方、カナダやイタリアは目標達成が難しい立場を示している。
アナンド外相はカナダの最新予算で国防費を800億カナダドル(約8兆8,000億円)とし、「今年中にGDP比2%を達成する見込みだ。5%の目標は2035年までの長期的課題だ」と述べた。
会議直前、トランプ大統領はカナダとの貿易交渉を一時中断した。
背景には、オンタリオ州政府が米国の関税政策を批判する広告を米国内で掲載したことへの反発があるとされる。
マーク・カーニー首相はこの件でトランプ大統領に謝罪し、「米国が再交渉の準備が整えば、いつでも協議を再開する」と表明した。
アナンド外相は「自らもルビオ国務長官と協議を行うが、今回の会議では複数の国が米国との通商問題を主導的に議論するだろう」と語った。
トランプ政権は現在、G7同盟国よりも第三国との貿易協定や関税協議を優先しており、各国の外交方針にも影響を与えている。















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