
全国で野生のクマが市街地や住宅地に出没する事例が相次ぎ、人的被害が増加する中、2年前に襲撃を受けた70代男性が現在も後遺症に苦しんでいることが明らかになった。
15日付の読売新聞、朝日新聞によれば、富山県富山市の農業従事者、岡上陸さん(74歳)は2023年11月、親戚宅の庭で柿を収穫していた際にクマに襲われ、顔と足に重傷を負った。
クマは岡上さんの顔を引っかき、馬乗りになって噛みつこうとしたが、親戚の悲鳴で驚いて逃走し、左足のみを噛んだとされる。
眼鏡により眼球は守られたが、顔面の骨折やまぶたの損傷、一部の神経や筋肉の欠損など被害は深刻だった。全治2か月の診断を受けて20日間入院し、その後2年間で5回の手術を受けた。現在も左目を完全には開けられず、10月に大腿部の筋膜を用いた移植手術を受け、今月初めに退院した。
岡上さんは、クマへの警戒を続けながら農作業を行うのは困難だとして、今年の収穫を最後に親から引き継いだ田畑を手放す決断をした。また、人家近くに出没するクマは射殺すべきだと述べ、個体への同情は抱かないと語った。
一方、国内ではクマの出没と人的被害が急増している。4月以降、クマの襲撃で死亡した人は13人に達し、出没の通報件数は2万792件となり、すでに昨年の記録を上回った。
政府はこれを受け、自衛隊や警察の退職者を新たな駆除要員として投入し、捕獲装備や防護柵の整備を強化したとした。警察庁は11月6日に関係規則を改正し、13日からは住宅地に出没したクマに限り小銃の発砲を許可すると決定した。














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