ロシア・中国・イラン・キューバなど伝統的同盟国
財政難のマドゥロ政権を見放す動きも

米国がベネズエラへ攻撃を準備する中、ベネズエラの同盟国であるロシア、中国、イラン、キューバのいずれも、実際に支援に踏み切る能力も意志もないと、米紙ニューヨーク・タイムズは18日(現地時間)に報じた。
ベネズエラ政府は近年、数十億ドルを投じ、米国と対立する国々から武器や安全保障サービスを購入してきた。
しかし米国はもちろん、ベネズエラでも、ベネズエラが米軍の攻撃に耐えられると予想する声はほとんどない。
さらに、ベネズエラの同盟国の中には、戦況を左右するほど支援を拡大する能力や政治的意志を持つ国は存在しないと、専門家や政府関係者は指摘している。
ベネズエラの同盟国は、理念よりも経済的利益を優先して動いてきた側面がある。それでもベネズエラに危機が訪れるたび、政権維持に一定の役割を果たしてきた。
中国は西側金融機関がベネズエラとの取引を停止した後も、数百億ドル規模の融資を提供し、ウゴ・チャベス前大統領、そしてニコラス・マドゥロ現大統領の政権を支えた。
ロシアの石油企業は、ドナルド・トランプ米大統領が第1期政権でベネズエラを制裁した後も、ベネズエラの原油輸出が途絶えないよう調整を続けた。
イランの技術者らは、長期化する経済危機の中で崩壊寸前だったベネズエラの石油産業の維持に寄与した。
キューバは医師や労働者を数万人規模で派遣し、ベネズエラの社会サービス維持を支援してきた。
しかし、2014年以降、ベネズエラ国の内総生産(GDP)の急落によって戦略的価値は低下し、財政危機の深刻化とともにマドゥロ政権はリスクの高い債務国に転落した。
加えて、最近の地政学的変動が、ベネズエラと支援国の関係にさらなる負荷をかけている。
キューバ、ロシア、イランはそれぞれ経済危機や自国での戦争に直面し、海外に影響力を投射する余力が縮小している。
専門家らは、ベネズエラの同盟国はいずれも米国との外交改善を模索しており、ベネズエラのために犠牲を払う意志がないと指摘する。
例えば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先月、ベネズエラとの「戦略的パートナーシップおよび協力条約」を批准したものの、新たな支援を約束することは避けたとされる。
一方で、同盟国の支援によって、ベネズエラ軍は米軍に勝つことは不可能でも、一定の被害を与えうる能力は残していると分析される。
中国は依然としてベネズエラ産原油の大部分を購入し、マドゥロ政権の資金繰りが尽きないよう支援している。
キューバは特に、マドゥロ大統領の警護やクーデター防止で重要な役割を担っている。
米国がカリブ海で軍事力を増強すると、マドゥロ大統領は警護部隊に配置されたキューバ人要員の数を増やし、軍内部でのキューバ防諜要員の活動範囲を広げることで、クーデターの危険を抑えたとされる。
ある関係者は、マドゥロ大統領と側近らが、キューバ要員は経験が豊富で、買収されにくいと信頼していると話した。
トランプ大統領は、特殊部隊を送りマドゥロ大統領を拘束または排除する案、さらに油田や重要インフラを掌握する案を検討しているとされる。
軍事専門家らは、ロシア製兵器で武装したベネズエラ軍が、米軍に人的被害を与える可能性があると予想している。
ベネズエラ軍が保有するS-300地対空システムやスホイ戦闘機などのロシア製兵器は、米軍によって事前に破壊される可能性が高いとされる。
しかし、ロシア製の携帯式地対空ミサイル「イグラ」は、米軍にとって無力化が難しい脅威になるとみられる。
ベネズエラ政府はイグラを5,000基保有し、全国の軍部隊や民兵組織に配備したと主張している。
そのうち稼働可能なものは数百基にとどまるとの見方もあるが、それでも低高度で飛行する特殊部隊用の航空機やヘリコプターにとっては大きな脅威となる。















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