イスラエルのベイルート空爆、6月以降で約5か月ぶり
ヒズボラ幹部「指導部が対応の可否を協議」

イスラエル軍は23日(現地時間)、レバノンの首都ベイルートに対して空爆を行い、親イラン武装組織ヒズボラ(Hezbollah)のナンバー2であるハイサム・アリ・タバタバイ参謀総長を殺害した。
ロイター通信、CNNなどによると、イスラエル軍は同日発表した声明で、「ベイルート中心部において、ヒズボラの組織構築および武装強化を主導してきた参謀総長を標的とした空爆を実施した」と明らかにし、タバタバイ参謀総長の殺害を公式に発表した。
イスラエル首相府は、今回の攻撃がイスラエル・カッツ国防相、エヤル・ザミール参謀総長らの提言に基づくものだと説明した。ベンヤミン・ネタニヤフ首相も短いテレビ声明で、「イスラエルはヒズボラが軍事力を再構築することを決して許さない」と強調し、レバノン政府に対してヒズボラの武装解除義務を履行するよう改めて求めた。
ヒズボラ側も声明を発表し、「タバタバイは偉大なジハード指揮官であり、生涯最後の瞬間までイスラエルとの戦いに身を捧げた」として、死亡を認めた。ヒズボラ幹部のマフムード・クマティ氏は、「イスラエルは一線を越えた。指導部は対応の是非と方法を協議する」と述べ、報復の可能性を示唆した。

AFP通信、CNNなどによると、タバタバイ参謀総長はヒズボラのナイーム・カセム事務総長に次ぐ実質的な2番手で、2016年に米国政府からテロリスト指定を受けた人物でもある。米国は当時、タバタバイがイエメンおよびシリアでヒズボラ特殊部隊を指揮していたとして、その所在に関する情報に500万ドル(約7億8,000万円)の懸賞金をかけていた。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「タバタバイは、昨年11月の停戦以降にイスラエルによって殺害されたヒズボラ高官の中で最も高位の人物だ」と報じている。
イスラエル軍がベイルートを空爆したのは、6月5日以来、およそ5か月ぶりとなる。イスラエルとレバノンは昨年11月、米国とフランスの仲介により停戦に合意した。しかしイスラエル側は、ヒズボラが撤退義務を守らず、武器密輸を通じて戦力を強化していると主張し、レバノン南部を中心に散発的な攻撃を続けてきた。最近は空爆の頻度と強度をさらに高めている。
これに対しレバノン側は、今回の空爆で民間人の被害が出たとして、国際社会による介入を求めた。ジョゼフ・アウン大統領は声明で、「イスラエルによるレバノンと国民への攻撃を止めるため、国際社会は断固として真剣に介入すべきだ」と訴え、「国際社会は自らの責任を果たさなければならない」と強調した。
レバノン保健省は、今回の空爆で5人が死亡し、28人が負傷したと発表した。AFP通信によれば、イスラエルのミサイルは、ヒズボラの拠点とされるベイルート南部郊外のダヒエ地区にあるアパートを直撃した。攻撃は9階建て建物の3階と4階を破壊し、救急隊と消防隊が生存者の捜索にあたる一方、レバノン軍が周辺区域を封鎖した。レバノン国営NNA通信は、「イスラエル軍のミサイル3発がアパートに発射された」と報じている。














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