
北朝鮮が、ドイツとスウェーデンが共同開発した長距離空対地巡航ミサイル「タウルス」を模倣したとみられる新型ミサイルを公開した。
北朝鮮メディア『朝鮮中央通信』は先月30日、金正恩国務委員長が2日前に元山(ウォンサン)・葛麻(カルマ)飛行場で行われた行事に出席し、「核戦争抑止力の発揮において空軍が担う役割は非常に大きい。新たな戦略的軍事資産の導入とともに、空軍には重大な任務が課されることになる」と述べたと伝えた。
金委員長は「新たな戦略的軍事資産」の詳細には言及しなかったが、複数の軍関係者は、スホーイ25(Su-25)に搭載可能な長距離空対地ミサイルである可能性が高いとの見方を示している。

この日、北朝鮮メディアが公開した写真で初めて姿を現したこのミサイルは、ドイツ製の「タウルス KEPD 350」に酷似していた。
タウルスは INS・GPS・TRN・IBN からなる三重(複合)航法システムを搭載し、GPS妨害下でも精度を維持し、半径3m以内の誤差で標的を精密攻撃できる巡航ミサイルである。射程は500km以上で、ステルス設計と超低空飛行により敵の防空網を突破する能力を持っている。
一部では、北朝鮮が公開したミサイルが、現在ロシアが運用している長距離誘導空対地ミサイル「Kh-59MK2」と似ているとの分析も出ている。
専門家らは、北朝鮮の新型ミサイルが、米国と韓国の防空網を迂回し核・非核いずれの精密打撃にも使用される可能性があると指摘した。
空軍力の強化に注力する北朝鮮
近年、北朝鮮は在来式戦力の近代化を急ぎ、米国と韓国に比べ相対的に弱い空軍力の補強に力を入れている。
無人機戦力の拡充に続き、今年3月には韓国が運用する「ピースアイ」に類似した早期警戒管制機が登場。5月には戦闘機発射型の新型中距離空対空ミサイルの実射訓練を初公開した。

一部では、北朝鮮がロシアの支援を受け先端戦闘機導入まで進める可能性があるとの懸念も出ている。
北朝鮮メディアが公開した写真には、米軍の高高度偵察無人機「グローバルホーク」に似た「セッピョル-4」や、米軍の攻撃型無人機「MQ-9リーパー」に酷似した「セッピョル-9」、さらに早期警戒管制機などの姿も確認された。
一方、金委員長が出席した空軍創設80周年記念行事には、「尊敬する御子息」と紹介された娘のジュエ氏も姿を現した。ジュエ氏は父親と同じ黒のレザー製ロングコートにサングラス姿で登場し、注目を集めた。北朝鮮メディアに登場するのは、9月の金委員長訪中に同行して以来、約90日ぶりとなる。













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