テレグラフ寄稿で「汚職撲滅」にも言及
「NATO加盟・核配備などの安全保障が不可欠」

ウクライナ軍総司令官を務めた有力な次期大統領候補、ヴァレリー・ザルジニー駐英大使が、終戦後の「政治的変化」に言及した。
ザルジニー大使は30日(現地時間)、英紙『デイリー・テレグラフ』への寄稿で、「私たちは完全な勝利を望んでいるが、戦争を長期的に終結させる方法を排除すべきではない」と述べた。
さらに大使は、「平和(終戦)を通じて政治的変革、大規模な改革、完全な復興、経済成長を実現できる」と指摘し、汚職との戦いと公正な司法制度の構築の必要性も訴えた。
これは、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が不出馬を宣言し、側近の汚職疑惑で政権基盤が弱体化するなかで、「政治的変化」や「汚職との戦い」に踏み込んだ発言である。
『デイリー・テレグラフ』は、「次期大統領候補として名前が挙がる彼は、ウクライナが繁栄するためには汚職を根絶し、大規模な改革を進める必要があると語った」と報じた上で、「海外ではゼレンスキー大統領がウクライナ英雄像の象徴だが、国内ではザルジニー元総司令官の象徴性がより大きい」と指摘した。
また同紙は、寄稿文が掲載された時期が、ゼレンスキー大統領の最側近アンドリー・イェルマーク前大統領府長官の辞任からわずか2日後であった点も強調した。
一方、ザルジニー大使は、ウクライナがドナルド・トランプ米政権と協議中の和平案について、十分な安全保障措置が盛り込まれるべきだとの立場を示した。
大使は、「(平和を通じて達成できる)あらゆることは、効果的な安全保障なしには不可能だ」と述べ、「北大西洋条約機構(NATO)加盟、核兵器の国内配備、ロシアに対抗できる大規模兵力の配置」などを例として挙げた。
ロシアがウクライナを独立国家として認めていない以上、有事の際に米国やNATOの直接関与が保証されなければ、ロシアが再侵攻するのは必然だという見方だ。
2021年から昨年初めまでウクライナ軍総司令官を務めたザルジニー大使は、終戦後に行われる大統領選で当選が有力視される次期大統領候補とされている。
ロシアの侵攻後、ゼレンスキー大統領は国際外交に専念し、戦争指揮を当時のザルジニー総司令官に一任したことで、同氏は国民的英雄として台頭した。
しかし、戦争が長期化するにつれ両者の溝が深まり、ゼレンスキー大統領は昨年2月、総司令官を電撃的に交代させ、ザルジニー氏を駐英大使に送り出した。













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