ウクライナ外相「プーチン大統領は世界の時間を無駄にするな」

ヨーロッパ各国が、ロシアにはウクライナ戦争を終わらせる意思がないと批判する中、ロシア軍はウクライナの都市へ大規模な空爆を続けている。
ロイター通信やキーウ・ポストによると、ロシア軍は4日(現地時間)、イスカンデルM短距離弾道ミサイル2発とドローン138機でウクライナ各地を攻撃した。これにより複数の負傷者が出たほか、停電も相次いだという。
南部の港湾都市オデーサでは未明のドローン攻撃により、行政庁舎や高層アパート、車両などが破壊され、複数の負傷者が出た。
オデーサ州のオレフ・キペル州知事は「アパートの中に閉じ込められて救助された2人を含め6人が負傷した。また子ども6人を含め33人が心理的ショックを受けたため支援を受けている」と述べた。
また、オデーサのエネルギー施設も攻撃を受け、エネルギー企業DTEKは5万1,800世帯で停電が発生したと明らかにした。
前線都市ヘルソンでも度重なる空爆により発電所の稼働が停止し、4万500世帯で暖房供給が途絶えている。
ヘルソン州のオレクサンドル・プロクディン州知事はテレグラムで「市民に暖房を供給する100%民間の施設が深刻な損傷を受けた。発電設備と機材が破壊された」とし「民間人を標的にしたテロ行為だ」と非難した。
前日夕方にはドニプロペトロウシク州クルィヴィーイリーフがミサイル攻撃を受け、高層建物数棟と民家約20軒、学校、商店などが破壊されたと、オレクサンドル・ビルクル市長が明らかにした。
さらに、ハルキウ州の複数の都市や町でもミサイルやドローン攻撃があり、住宅や休憩施設、倉庫などが炎上し、62歳の女性が負傷した。
ウクライナのエネルギー省によると、前線のドネツク州では6万戸が、ドニプロペトロウシク州では1,600戸が午前の時点で停電しているという。
一方、ドナルド・トランプ米政権はウクライナ停戦の仲介に向けてロシア、ウクライナとそれぞれ協議を進めている。2日には米国代表団がロシアを訪問し、4日にはウクライナ代表団が米国を訪れ停戦案を議論する予定である。
ただし2日の米露協議では、ウクライナの領土割譲問題など重要争点を巡り歩み寄りが見られなかったとされている。欧州側は、ロシアに停戦の意思が見えないと批判している。

ウクライナのアンドリー・シビハ外相は前日、プーチン大統領に向けて「世界の時間をこれ以上無駄にするな」と促し「ロシアは自ら始めた流血の戦いに終止符を打つべきだ。さもなければ、プーチン大統領は再び国際社会を愚弄することになり、その結果を負うことになる」と訴えた。
ロシア側は最近、ウクライナ占領地域の拡大を根拠に、交渉で有利な立場に立っていると主張している。ロシア大統領府のユーリー・ウシャコフ外交政策顧問は「交渉の進展は、ここ数週間の戦場でのロシア軍の成功によって影響を受けている」と述べた。
トランプ大統領は前日、ホワイトハウスで取材陣に対し、2日のロシアとの会談について「かなり良いものだった」と述べつつ「会談がどのような結果を生むかについてはまだ言えない。タンゴは2人で踊るものだからだ」と述べた。















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