中国、軍備管理白書から「朝鮮半島の非核化」を削除 北朝鮮の核を事実上容認か

中国が最近公表した軍備管理に関する白書から、「朝鮮半島の非核化を支持する」との文言が姿を消したことが分かった。
6日付の香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」によると、2005年9月に発表された軍縮白書には「関係国が朝鮮半島に非核地帯を設けるとする主張を支持する」と明記されていた。
しかし今回の白書では、北朝鮮の核問題に直結する「朝鮮半島の非核化」という表現が削除され、原則論にとどまる記述に置き換えられた。
新たな白書は、「中国は朝鮮半島問題に対し、公正な立場と正しい方向性を堅持し、常に半島の平和・安定・繁栄のために力を尽くしてきた。半島問題の政治的解決プロセスにも一貫して取り組んでいる」と強調している。
そのうえで、「中国は関係当事国に対し、威嚇や圧力をやめ、対話と交渉を再開して政治的解決を促進し、朝鮮半島の長期的な安定と平和の実現に向けて建設的な役割を果たすよう求める」と呼びかけた。
こうした表現ぶりをめぐり、専門家の間では「中国が北朝鮮を事実上の核保有国として容認しつつあるのではないか」との見方が出ている。
カーネギー国際平和基金の趙通上級研究員は、「中国がもはや朝鮮半島の非核化に公式文書で言及しないということは、実際には核武装した北朝鮮を黙認しているに等しい」と分析した。
中国は先月、金正恩朝鮮労働党総書記が北京を訪れ、習近平国家主席と会談した際の会談結果文書でも「朝鮮半島の非核化」に触れなかった。2018〜19年に複数回行われた中朝首脳会談のたびに非核化が言及されていたことを踏まえると、明らかな変化といえる。
中国の姿勢の変化については、米国との覇権争いの構図と密接に関係しているとの指摘もある。
米シンクタンク、ハドソン研究所のパトリック・クローニン アジア太平洋安全保障部長は、「米・韓・日の拡大抑止の強化に対する、中国側の微妙な『抗議』の表れだ」との見方を示した。














コメント0