
最近、海外のソーシャルメディア(SNS)を中心に、自分の経血を顔に塗る「月経マスク」が流行している。
20日(現地時間)、英紙「デイリー・メール」などは、一部のビューティーインフルエンサーたちが自分の経血を顔に塗るいわゆる「月経マスキング(menstrual masking)」の動画を公開し話題になっていると報じた。
彼女らは「経血には幹細胞、タンパク質、サイトカインなど、肌再生に有益な成分が含まれている」とし「肌に輝きが出て若返ることができる」と主張した。
月経マスクをアメリカのモデル、キム・カーダシアンで一躍有名になったいわゆる「ヴァンパイアフェイシャル 」施術と比較するインフルエンサーもいた。これは多血小板血漿(PRP)を肌に注入してコラーゲン生成を促進する施術だ。またこれを精神的または「女性力」と結びつけるインフルエンサーもいた。
エジプトとインドネシアを行き来しながら活動するインフルエンサーのサラ・ソルさん(32)は、自分の経血を「若返りマスク」として使用すると紹介した動画を投稿し話題になった。彼女は数年間経血を美容目的で使用してきたと主張し、「純粋で新鮮な方法だ」と語った。
彼女は経血を顔に塗った動画だけでなく、土に注ぐ動画も共有し、「永遠の美肌の秘訣は何だと思いますか。それは脚の間から出た血です」と語り、論争を引き起こした。
経血は子宮内膜組織、循環血液、膣分泌物が混ざった物質だ。月経周期の間に内膜が再生されるときには幹細胞が重要な役割を果たす。2018年の研究では、経血から抽出した血漿が傷の治癒に効果があるという結果もある。
専門家たち「不衛生で細菌感染の可能性が高い」
しかし、皮膚の専門家たちは経血が肌に良いという主張には科学的根拠がないとし、「経血を直接肌に塗ることは細菌感染、ニキビの悪化、皮膚炎を引き起こす可能性がある」と警告した。
英国皮膚科学会に所属する皮膚科専門医のテス・マクファーソン教授は、「このような異常なスキンケアは衝撃的で流行するが、効果を実証した根拠もなく、肌再生メカニズムも明確ではない。医療的に推奨できない」と述べた。
経血には炎症を引き起こす上皮細胞が含まれており、サイトカインやケモカインを生成する可能性があるため、肌の刺激や炎症が悪化する恐れがある。
また、経血は膣を通過する過程でさまざまな細菌や真菌を含むことになる。代表的なものとしてブドウ球菌がある。毛穴や傷を通じて侵入すれば感染のリスクが高まる。

経血には子宮組織、子宮頸部細胞、膣分泌物が混ざっており、自然とバクテリアが発生する。口腔衛生が良くない場合や性感染症がある場合、リスクはさらに高くなる。皮膚バリアが弱いニキビや乾燥肌を持つ人は、細菌がより深い層に侵入し感染が悪化する恐れもある。この過程でヘルペスのような性感染症が皮膚に伝播するリスクも存在する。
膣の正常pHは約4.5の弱酸性だが、月経期間中には血液が混ざってアルカリ性になるため、細菌やウイルスが発生しやすくなる。そのため、経血を顔に塗る行為はニキビや感染のリスクを高める方向に作用する可能性があり、空気に触れる瞬間にほとんどの細胞は即座に死滅し、肌に有効な作用をする可能性はほとんどないとされている。
皮膚科専門医たちは「科学的に証明されていないセルフ美容法よりも、皮膚科を訪れて効果が実証された治療法を利用した方が安全だ」と強調した。
また、経血を使用する代わりに抗酸化剤、レチノール、保湿剤など臨床的に効果が証明された成分を含むスキンケア製品を活用するようにアドバイスした。















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