
北朝鮮が鴨緑江の国境一帯に数十カ所の臨時渡河路を設置していることが確認された。車両や武器製造に使われる各種機材が北朝鮮へ密かに持ち込まれ始めたとの分析が出ている。
米国の北朝鮮専門メディア・NKニュースのプレミアムサービスであるNKプロは、9日(現地時間)、「衛星写真を分析した結果、両江道の4つの郡(金亨稷・金正淑・三水・普天)と恵山市を結ぶ約95km区間に臨時渡河路が設置された」と報じた。
メディアが言及した地域は、鴨緑江を挟んで中国吉林省白山市と向かい合う場所だ。
民間衛星企業 プラネット・ラボが撮影した衛星写真では、渡河路の両側に大型貨物が積み上がり集積されるスペースが新たに造成されている様子が確認できる。渡河路は川底に土砂を積み上げて作る一時的な構造物で、時間が経って浸水・消失すると、その近くに新たな渡河路が設置される形で数が増えていった。

NKプロによれば、鴨緑江の両岸をつなぐ渡河路が初めて設置されたのは昨年4月から6月だ。当時は4カ所だったが、現在は合計32カ所にまで増えたという。
日本の対北朝鮮情報誌・臨津江も以前、恵山市一帯に24カ所の非公式渡河路が存在すると報じていた。
津臨江の報道によれば、北朝鮮側の駐車場ではナンバープレートのない中国製車両が数百台規模で確認された。津臨江は「確認された車両や正体不明の物資は、北朝鮮対外経済省などが指揮する『国家的密輸』だ」と指摘した。

NKプロも、衛星写真で確認された臨時渡河路が北朝鮮と中国の間の密輸に利用されているとみている。特に民間車両や、武器製造に使用される「二重用途」の機械類が鴨緑江を越えて北朝鮮へ密輸されている可能性が高いとの見方を示した。
NKプロは「対北朝鮮の密輸が中国当局の了承なしに行われている可能性は極めて低い」とし「近隣で中国の高速道路G331国道の工事が行われており、現場の公務員や作業員らが密輸を把握していたとみられる」と分析した。
さらに「中国が北朝鮮との経済協力を強化しようとする中、国連の対北朝鮮制裁を迂回するため、公式の貿易路ではなく非公式の臨時渡河路を利用している」と付け加えた。













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