
ロシアの警告にも関わらず、ウクライナが黒海でロシアの港へ向かっていたタンカーを再び攻撃した。直近2週間で3回目の攻撃だ。
英紙ガーディアンは11日(現地時間)、ウクライナ当局者の話として、ウクライナ保安庁(SBU)が黒海上でロシア・ノヴォロシースク港へ向かっていたタンカー「ダシャン号」をドローンで攻撃したと報じた。
SBUによると、ダシャン号はウクライナの排他的経済水域(EEZ)を通過する際、船舶自動識別装置(AIS)を切った状態で高速航行していたところ、船尾で爆発が起きた。爆発により船体は深刻な損傷を受けたという。
ダシャン号は欧州連合(EU)と英国が制裁対象に指定した船舶で、登録された積み荷がないまま運航していたとされる。海洋安全保障に詳しい情報筋は、積み荷情報が不明確な状態で航行していたと指摘した。
ウクライナ当局者は、SBUが石油によるロシアの財政収入を減らすため、積極的な措置を継続していると説明した。ウクライナは、ロシアが制裁回避のために運用する、いわゆる「影の船団(シャドーフリート)」が戦費の供給源になっていると主張している。
ウクライナはここ数か月、長距離ドローンでロシア本土の製油施設を狙う一方、海上でもタンカー攻撃を拡大している。ロイター通信によると、2024年12月以降、ロシアの港に向かっていたタンカーでの爆発は少なくとも7件に上り、一部は地中海でも発生した。
この点を巡っては、ウクライナが機雷を用いた可能性も取り沙汰されているが、当局は確認も否定もしていない。
ロシア側は一連の攻撃を「海賊行為」だとして報復を警告している。ウラジーミル・プーチン大統領は今月2日、国営メディアを通じて、ウクライナの港にある船舶や港湾施設への空爆、さらにそれを支援する国の船舶に対する報復措置を検討していると警告した。















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