
イスラエル問題を巡り、イランとの終戦協議が難航している米国が、ホルムズ海峡付近で再びイラン行き船舶を攻撃した。イラン側はホルムズ海峡を巡る状況を戦争犯罪だと非難し、イエメンのフーシ派と連携して紅海からホルムズ海峡までを包括する「抵抗の安全保障ベルト」を構築すると予告している。
対イラン作戦を管轄する米中央軍は8日(現地時間)、SNS「X」で、ホルムズ海峡の外側にあたるオマーン湾の国際水路を通過し、イランへ向かっていたパラオ船籍のタンカー「M/Tマリベックス号」を無力化したと発表した。
米中央軍によると、同船の乗組員が米軍の指示に従わなかったため、空母エイブラハム・リンカーン(CVN-72)所属のF/A-18スーパーホーネット戦闘機が、同船の機関室と操舵室に精密誘導弾を発射した。米中央軍は「マリベックス号はもはやイランへ航行していない」と説明している。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は同日、海事データ分析会社ウィンドワードの情報として、同船は現在オマーン沖に停泊しており、火災が発生して乗組員全員が避難したと報じた。
2月からイスラエルとともにイランを攻撃している米国は、イランがホルムズ海峡を封鎖したことを受け、4月7日の停戦にもかかわらず、同月13日から海峡と周辺のイラン港湾でイラン関連船舶の出入りを阻止してきた。米中央軍は8日の発表で、これまで商船134隻を引き返させ、人道支援船42隻の通航を認めたと明らかにしており、米軍によって無力化された民間商船は7隻に増えている。
米国とイランは5月末から6月初めにかけ、停戦後もホルムズ海峡の船舶問題を巡って軍事衝突を繰り返した。イランは米国がイラン行き船舶を攻撃するたび、ペルシア湾周辺の親米国にある米軍基地を攻撃してきた。
イランの準国営メディア、タスニム通信によると、終戦協議の代表団を率いるイランのモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長はこの日、米国による海峡管理について「包括的な計画を通じ、戦争犯罪であり敵の陰謀の一部でもある海上封鎖を、敵のさらなる敗北へと変える」と述べた。ガリバフ議長は「我々の目標は戦争の終結と安定した安全保障の確保だ」と強調し、「相手側(米国)に対しては一切信頼を置いていない」とも語った。
同じく8日、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)傘下のコッズ部隊のエスマイル・ガアニ司令官は、SNSを通じてペルシア湾と紅海を結ぶ「抵抗の安全保障ベルト」に言及した。ペルシア湾とインド洋を結ぶホルムズ海峡は、イラン戦争前に世界の海上石油輸送量の約25%が通過していた。紅海とインド洋を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡も、海上石油輸送量の約10%が通過する重要な物流拠点となっている。
イエメンのフーシ派はイラン戦争開戦以降、米国とイスラエルに対抗してバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖できると警告し続けている。ガアニ司令官は最近、フーシ派がイスラエル船舶の紅海通航を禁止した措置に触れ、「イエメンの勇敢で時宜を得た行動は、抵抗戦線の知恵を示している」と評価し、「必要であれば他の勢力も加わる」と述べた。さらに「ホルムズ海峡からバブ・エル・マンデブ海峡まで、ペルシア湾から紅海に至るまで、新たな抵抗の安全保障ベルトが構築される」としたうえで、「この地域におけるシオニスト政権(イスラエル)と米国の挑発は、団結した抵抗戦線の対応を招く」と警告した。

















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