相続人不在の遺産、昨年は1,200億円超に

相続人がいないため国庫に帰属した遺産額が、昨年は約1,200億円を超えたことが分かった。関連統計を取り始めた2013年以降で過去最多となった。
3日付の「NHK」によると、いわゆる「相続人なき遺産」は、昨年1,291億6,374万円に上り、2013年の約336億円から12年間で約3.8倍に膨らんだ。
民法では、配偶者や子ども、親、兄弟姉妹などを法定相続人として定めている。しかし、相続人が見当たらず、遺言書も残されていない場合、故人の財産は家庭裁判所が選任した清算人が管理する。清算人は未払いの税金や葬儀費用などを精算した後、残余財産を国庫に納める仕組みだ。
専門家は、国庫に帰属する遺産が増えている背景として、少子高齢化や未婚率の上昇により、相続人のいない独居高齢者が増加している点を指摘する。また、親族がいても高齢で遺産整理や手続きが負担になるとして、相続自体を放棄するケースも見られるという。
一般社団法人日本相続学会の吉田修平副会長は「今後も頼る人のいない高齢者は増え続けるだろう」と述べたうえで、「生前に恩のある人や社会貢献団体に遺産を託す『遺贈』も、遺言書を作成すれば可能だ。自分の財産をどう扱うか、早めに検討しておくことが望ましい」と助言した。















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