
アステラス製薬の中国現地法人で幹部を務めていた日本人男性が、反スパイ法違反の罪に問われて懲役3年6カ月の実刑判決を受けたことが明らかになった。被告は裁判で自らスパイ行為を認めており、その背景や量刑の軽減要因にも注目が集まっている。
20日の『日テレNEWS』によると、男性は日本の情報機関からの依頼を受け、中国国内で機密情報を収集・提供し、その見返りに報酬を得ていたと判決文で認定された。北京市第二中級人民法院は16日、同容疑で起訴された男性に対し実刑判決を言い渡した。
中国では過去にスパイ容疑で起訴された日本人が懲役10年以上となるケースも少なくないが、今回の3年6カ月という判決は「比較的軽い」との声が関係者から上がっている。中国司法制度には、被告が罪を認めた場合に量刑が軽減される規定があり、関係筋は「被告が自発的に認めたのか、減刑を狙ったものかは不明」と指摘している。
国際的な緊張が続く中、外国企業幹部のスパイ容疑は外交問題にも発展しかねない。今後、アステラス製薬や日本政府がどのように対応を図るかが注目される。
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