
ロシア軍がウクライナの刑務所や医療施設などを空爆し、少なくとも21人が死亡したと現地当局が明らかにした。
AP通信などによると、夜間にかけてウクライナ南東部ザポリージャ地域にある刑務所を狙ったロシアの空爆により、収容者は少なくとも17人が死亡、80人以上が負傷したという。
この攻撃で収容者42人が重傷を負い、病院へ搬送された。また、職員1人を含む40人が負傷したとされる。
食堂の建物は破壊され、管理棟や隔離施設にも損傷が出たが、脱走者は報告されていないと当局は発表した。
ロシア軍は前日の夜、ザポリージャ州ビレンキウスカ刑務所に滑空爆弾4発を投下するなど、計8回にわたり空爆を実施した。
ウクライナのゼレンスキー大統領の側近であるアンドリー・イェルマーク大統領府長官は、この攻撃を「ロシアが行った新たな戦争犯罪」だと非難したと、AFP通信が伝えた。
イェルマーク長官はSNSのX(旧Twitter)で、「プーチン政権は戦争を遂行する能力を失うよう、経済的・軍事的打撃を受けるべきだ」と訴えた。
また、南東部のドニプロ地域でもロシアの空爆により、少なくとも4人が死亡、8人が負傷したと当局が報告した。ロシア軍のミサイルがカーミヤンシケ市の3階建て建物の一部を破壊し、近隣の医療施設にも被害を与えた。これにより2人が死亡、5人が負傷し、このうち妊婦1人が重体となっているという。
ロシア軍はまた、シネルニキウスキー地区の村をドローンや滑空爆弾で攻撃し、1人が死亡、2人が負傷。さらにベリコミハイリウスカ地区でも攻撃を行い、75歳の女性1人が死亡、68歳の男性1人が負傷した。
ロシア軍は今夏に入り、1,000kmを超える前線で攻勢を強めると同時に、民間地域への空爆も激化させている。特にウクライナの主要都市を標的とした大規模な夜間空爆により、犠牲者が相次いでいる。
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